<新興国eye>前週のロシアRTS指数、ガスプロム急落やルーブル安など嫌気し反落=BRICs市況

新興国

2022/7/4 9:35

 前週(6月27日-7月1日)のロシア株式市場で、RTS指数(ドル建て)の1日終値は前日比5.09%安の1279.55、前週比では6月24日終値比9.8%安と、5週ぶりに急反落した。

 週明け27日は指数が小反発し、28日まで続伸した。

 27日は、ブレント原油先物が1バレル=111ドルを超えたことが好感され、買いが優勢となった。OPEC(石油輸出国機構)の原油供給余剰見通しが従来予想の日量140万バレルから100万バレルに下方修正されたことなどが背景。ただ、G7(主要7カ国)とEU(欧州連合)がロシア産の金の輸入禁止に動き出したため、上値が重くなった。28日は、原油価格が114ドルに上昇したことや、海外株高、通貨ルーブル高で買いが優勢となった。

 29日は反落し、7月1日まで3営業日続落した。

 29日は、海外市場の悪化やルーブル安、西側の対ロ追加制裁(英国のロシア企業への制裁措置)が嫌気され、売りが強まった。前日の株価急騰で利益確定売りが強まった石油大手スルグトネフチガスなどが下げを主導した。30日は、国営天然ガス大手ガスプロムが期末配当の中止を決めたことで急落し、指数を押し下げた。原油価格が109ドルに後退したことも、売りを強める要因となった。

 週末1日は、ガスプロムがさらに急落し、相場の重しになった。ルーブル安の進行も嫌気された。ただ、スルグトネフチガスと国営石油・天然ガス開発大手ロスネフチが株主総会で配当実施を決めたことで急伸し、下げは限定的となった。

 今週(4-8日)のロシア市場は、引き続きロシアによるウクライナへの軍事侵攻やそれに伴う西側の対ロ制裁による地政学的リスク、原油・ガス相場などが焦点となる。このほか、原油価格に影響を与える6日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や7日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は5日のロシア6月非製造業PMI(購買担当者景気指数)や8日の6月CPI(消費者物価指数)など。指数は1200-1400の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 iSエマジン<1582.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>、iエネルギー<2024.T>

提供:モーニングスター社

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