ギックス・網野CEOにインタビュー記事:データインフォームド事業が高成長

無料

2022/7/15 9:00

 ギックス(9219)はデータインフォームド(DI)事業を展開する。DIとは、仕事の現場における判断に際して高度に計算されたデータを用いることにより、勘・経験・度胸を補強するもので、同社はそれを基にDIコンサルティング、DIプラットフォーム、DIプロダクトを提供する。3月のIPO(新規上場)時にはAI(人工知能)関連として注目を集め、上場後には業績予想の修正も発表。株式市場の注目度が急上昇している。網野知博代表取締役CEO(最高経営責任者)に同社の強みと将来展望を聞いた。

 ――DI事業を主力とする。特徴と強みを教えてほしい。

 「ビジネスの現場では『KKD』と呼ばれる『勘、経験、度胸』が重視される。当社ではデータを用いてこれを補完し、ビジネスの判断への活用をサポートしている。顧客のデータをAIやアルゴリズムで分析し、業務への取り込み方を設計。DIはデータを用いて論理的に考え、合理的に判断する材料になるため、需要は膨大だ。社名は『Garbage in,Garbage out』、ゴミにゴミを入れてもゴミしか出てこない、というインプットデータの質の大切さを説いた言葉の略であるコンピューター用語『GIGO』に掛けており、これにあえて異を唱えて一見、ゴミに見えるデータでも価値あるものに変換していきたい、という思いを込めている。うまく活用されていないデータは宝の山で、光を当てていきたいと考えている」

 ――上場初年度から業績計画の増額修正を行った。足元の状況はどうか。

 「今6月期の業績計画は上場初年度ということもあり、堅めに策定していたことが増額修正の一番の理由。足元、IPOの効果で問い合わせが増加しており、事業環境は良好だ。膨大な需要の取り込みで規模拡大が続く一方、利益面は販売管理費や開発投資の動向に影響を受けている。今期は、プロダクトビジネスにおける開発費が増加。当面はDIコンサルティングは明確な競合相手がいない、ブルーオーシャンの中で高い成長率を続けていくことができると考えている。開発費などは今後も発生するだろうが、収益規模の拡大に伴い、影響が小さくなっていく見通しだ」

 ――中期的な展望を教えてほしい。

 「今後も4~5割程度の売上高成長を続けていく見通し。DIコンサルティングが継続成長する一方、そこで蓄積したノウハウを基に、DIプロダクトの新たなサービスの立ち上げにも力を入れている。これまでは各クライアントの個別課題解決のためにDIを用いたコンサルティングを行ってきたが、多くの企業に共通の課題があり、その汎用性の高い課題に対してプロダクトを開発している。最適なスタンプラリーを提供する『マイグル』、エリアの特徴を分かりやすい表とグラフで提供する『トチカチ』を手掛けており、このほかに新プロジェクトにも取り組んでいる。これらは特定の顧客があって開発を進めていることもあり、早期の収益化を想定しやすい。中期的には業績成長ドライバーとして期待できるビジネスだと考えている」

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ