FOMC、全員一致で0.75ポイント追加利上げ―次回9月の利上げ幅は経済指標次第と強調

経済

FOMC

2022/7/28 8:56

<チェックポイント>

●利上げサイクルを休止せず、継続する方針を強調

●「最近の消費支出と生産の経済指標は弱い」との認識も、景気後退は否定

●将来のある時点で利上げペースを緩める可能性が高い―パウエルFRB議長

 FRB(米連邦準備制度理事会)は27日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を0.75ポイント引き上げ、2.25-2.50%とすることを全員一致で決めた。政策金利は、FOMC参加者が景気を過熱も冷やしもしないと考える「中立金利」の水準に達することになる。

 また、FRBは市中銀行がFRBに預け入れることを義務付けている準備預金の預入額に付与する金利も同率引き上げ、2.40%とすることも決めた。28日から実施される。

 利上げ幅は市場予想通り。3月FOMC以降、4会合連続で、利上げ幅は計2.25ポイントに達した。大幅な連続利上げは高インフレだった1980年代初めのポール・ボルカー元FRB議長以来となる。

 今後の金融政策のフォワードガイダンス(金融政策の指針)について、前回会合時と同様、「われわれは2%上昇の物価目標と雇用の最大化を目指す」とした上で、「これらの目標を支援するため、FF金利の誘導目標の継続的な引き上げが適切であると予想している」とし、利上げサイクルを一時休止せず、継続する方針を強調した。

 景気の現状認識については、「最近の消費支出と生産に関する経済指標は弱まっている」とし、3月の利上げサイクル開始以降、米経済が減速していることを初めて認めた。ただ、「それにもかかわらず、ここ数カ月の雇用者数の増加は堅調であり、失業率は低いままだ」と景気後退懸念を否定している。

 また、「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が、さらなるインフレ高進圧力を生み出し、世界の経済活動に重くのしかかっている。われわれはインフレリスクに非常に注意を払っている」との見解を示している。

 ただ、今後の金融政策スタンスについては、「適切な金融政策スタンスを検討する際、経済見通しに対する影響を引き続き監視し、FRBの使命(物価の安定と雇用の最大化)の達成を妨げる可能性のあるリスクが発生した場合、金融政策スタンスを適切に調整する」との見解を示唆している。

 パウエルFRB議長は、「次回9月会合で今回と同じような通常ではない利上げ規模(0.75ポイント)となるかどうかは(雇用やインフレなどの)経済指標次第だ」とした上で、「(将来の)ある時点で、利上げペースを緩める可能性が高い」とし、0.50ポイントの利上げの可能性を示した点に市場は注目している。この発言後、ダウ工業株30種平均は急反発した。

 次回会合は9月20-21日に開かれる予定。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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