日経平均は147円高と反発、引けにかけもみ合い商状、グロース株中心に高く指数支える=3日後場

 3日後場の日経平均株価は前日比147円17銭高の2万7741円90銭と反発。朝方は、きのう2日、ペロシ米下院議長の台湾訪問による米中対立などを警戒し、大幅反落した反動から自律反発狙いの買いが先行した。円高一服も支えとなり、前場の早い段階で2万7837円63銭(前日比242円90銭高)まで上昇する場面があった。一巡後は、株価指数先物売りを交えて上げ幅を縮小し、一時2万7634円65銭(同39円92銭高)まで押し戻された。その後持ち直したが、戻りは限定され、大引けにかけて2万7700円台でもみ合い商状となった。なかで、グロース(成長)株中心に高く、指数を支えた。

 東証プライムの出来高は11億7660万株、売買代金は2兆9200億円。騰落銘柄数は値上がり683銘柄、値下がり1074銘柄、変わらず81銘柄。

 市場からは「グロース株には短期マネーが流入しているもようだが、決算後に上昇した銘柄に対しては長期投資家の売りが出ている。台湾を巡る地政学リスクについては、意外に冷静だが、一部では先行き米中対立が予想以上に深まるとの懸念も出ている」(外資系証券)との声が聞かれた。

 業種別では、HOYA<7741.T>、オリンパス<7733.T>、テルモ<4543.T>などの精密株が堅調。T&DHD<8795.T>、第一生命HD<8750.T>、東京海上<8766.T>などの保険株も高く、三菱商<8058.T>、三井物産<8031.T>、住友商<8053.T>などの卸売株も値を上げた。東エレク<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>、ソニーG<6758.T>などの電機株や、ダイキン<6367.T>、日立造<7004.T>、NTN<6472.T>などの機械株も買われた。INPEX<1605.T>などの鉱業株や、JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株も引き締まった。

 半面、東電力HD<9501.T>、関西電力<9503.T>、中部電力<9502.T>などの電気ガス株が軟調。三井不<8801.T>、東建物<8804.T>、東急不HD<3289.T>などの不動産株や、積水ハウス<1928.T>、大和ハウス<1925.T>、長谷工<1808.T>などの建設株も安い。任天堂<7974.T>、大日印<7912.T>などのその他製品株や、住友倉<9303.T>、三菱倉<9301.T>などの倉庫運輸関連株もさえない。

 個別では、オーバル<7727.T>がストップ高となり、イリソ電子<6908.T>も一時ストップ高。IMAGIC<6879.T>、サンリオ<8136.T>などの上げも目立った。半面、Eガディアン<6050.T>、ビジネスE<4828.T>、USS<4732.T>、リズム<7769.T>などの下げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、14業種が上昇した。

(写真:123RF)

提供:モーニングスター社

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