<新興国eye>前週の上海総合指数、米下院議長訪台で米中関係悪化懸念強まり、続落=BRICs市況

新興国

2022/8/8 9:41

 前週(1-5日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数の5日終値が7月29日終値比0.81%安の3227.027となり、続落した。

 週明け1日の指数は反発して始まった。前の週末、国務院(内閣に相当)が新エネルギー車(NEV)の車両取得税免除の延長や、コロナ禍の打撃を受けている産業支援策として、増値税減免の延長、グリーンスマート家電の農村部への普及策を決めたことが好感された。また、中国証券監督当局が資本市場の安定的な運営を最優先する方針を示したことも支援材料となった。

 2日は急反落し、3日も一段安となり、続落した。

 2日は、対中強硬派とされる米民主党のペロシ下院議長の台湾訪問を受け、複数の中国軍機が台湾海峡に接近したため、米中関係の悪化懸念が強まり、売り優勢となった。

 3日は、中国人民解放軍が新たな軍事演習を台湾周辺の6カ所で行うなど、台湾情勢の緊迫化が警戒されたことが、引き続き売り材料となった。

 4日は反発し、週末5日も値を上げ、続伸した。

 4日は、市場の関心が台湾情勢から政府による景気支援のためのインフラ整備事業の着工に移り、買い優勢となった。

 5日は、中国当局による国内半導体企業への支援期待が高まり、買い優勢となった。

 今週(8-12日)の株式市場は引き続き、新型コロナ感染再拡大や台湾情勢を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は10日の7月CPI(消費者物価指数)と7月PPI(生産者物価指数)など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:モーニングスター社

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