日経平均は239円安と5日ぶり大幅反落、東エレクやソフバンGの株価下落が重し=9日前場

 9日前場の日経平均株価は前日比239円89銭安の2万8009円35銭と5営業日ぶりに大幅反落。朝方は、8日の米国株式が高安まちまちの中、小安く始まった後、小幅高に転じる場面もあったが、もまなく軟化した。特に指数寄与度が高く、第1四半期(22年4-6月)の連結決算で2ケタ減益の東エレク<8035.T>や、巨額最終赤字(IFRS基準)のソフバンG<9984.T>の株価下落が重しとなった。決算不振銘柄中心に売られ、下げ幅を拡大し、一時2万7976円45銭(前日比272円79銭安)まで下落した。その後の戻りは鈍く、前引けにかけて安値圏で推移した。なお、上記2銘柄の指数マイナス寄与度は203円強に達した。

 東証プライムの出来高は5億8451万株、売買代金は1兆5718億円。騰落銘柄数は値上がり555銘柄、値下がり1203銘柄、変わらず79銘柄。

 市場からは「不調決算が嫌気されている。欧米景気が減速・悪化する中、日本企業だけが無傷ではいられない。日経平均はほぼピーク水準まで戻ってきただけに、ここからは下ブレリスクが意識される。10日発表の米7月CPI(消費者物価指数)を受けて米国株が調整する可能性がある」(銀行系証券)との声が聞かれた。

 業種別では、住友ゴム<5110.T>、浜ゴム<5101.T>などのゴム製品株が下落。東エレク<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>、ソニーG<6758.T>、などの電機株や、トヨタ<7203.T>、いすゞ<7202.T>、デンソー<6902.T>などの輸送用機器株も売られた。三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、三住トラスト<8309.T>などの銀行株や、伊藤忠<8001.T>、丸紅<8002.T>、住友商<8053.T>などの卸売株も軟調。東海カーボン<5301.T>、太平洋セメ<5233.T>、TOTO<5332.T>などのガラス土石株や、王子HD<3861.T>、日本紙<3863.T>、レンゴー<3941.T>などのパルプ紙株もさえない。ソフバンG<9984.T>、NTT<9432.T>、KDDI<9433.T>などの情報通信株も値を下げた。

 半面、INPEX<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株が堅調。商船三井<9104.T>、郵船<9101.T>などの海運株や、出光興産<5019.T>、コスモエネH<5021.T>などの石油石炭製品株も高い。オリンパス<7733.T>、島津製<7701.T>などの精密株も買われた。マルハニチロ<1333.T>などの水産農林株や、デサント<8114.T>などの繊維製品株も値を上げた。

 個別では、エンシュウ<6218.T>、オプテクスG<6914.T>、日製鋼<5631.T>、メルカリ<4385.T>、ロードスター<3482.T>などの下げが目立った。半面、LITALICO<7366.T>がストップ高となり、デサント<8114.T>、トレンド<4704.T>、セレス<3696.T>、NISSHA<7915.T>、三井松島HD<1518.T>などの上げも目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、24業種が下落した。

提供:モーニングスター社

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