<新興国eye>トルコ7月CPI、前年比79.6%上昇に加速―市場予想下回る

新興国

2022/8/10 10:02

 トルコ統計局が3日発表した7月CPI(消費者物価指数、03年=100)は前年比79.6%上昇と、6月の同78.62%上昇を上回り、98年9月(80.4%上昇)以来、約24年ぶりの高い伸びが持続している一方、市場予想の同80.5%上昇を下回った。

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻とそれに伴う西側諸国の対ロ経済制裁により、エネルギー価格の高騰と、中銀の利下げに伴う通貨トルコリラの急落が加わり、インフレ率が急加速している。

 セクター別の前年比(全体指数)では、運輸が119.11%上昇(6月は123.37%上昇)と、最も高い伸びとなったが、6月から伸びが鈍化。次いで、食品・清涼飲料水が94.65%上昇(同93.93%上昇)、家具・生活用品は88.35%上昇(同81.14%上昇)、アルコール飲料・たばこも82.66%上昇(同70.99%上昇)と6月から加速し、全体の伸び(79.6%上昇)を上回った。

 このほか、ホテル・カフェ・レストランは79.14%上昇(同79.55%上昇)、住宅(光熱費や修理費)も69.96%上昇(同75.09%上昇)と、伸びが減速した。どのカテゴリーにも入らないその他商品・サービスは66.82%上昇(同63.67%上昇)となった。対照的に、通信は25.79%上昇(同23.74%上昇)と、最も低い伸びとなった。

 また、全体指数から値動きの激しい食品やエネルギーなどを除いたコアCPI(グループC)も前年比61.69%上昇と、6月の57.26%上昇を上回り、9カ月連続で伸びが加速した。

 トルコ中銀は7月28日に発表した最新の四半期インフレ報告書で、22年末時点のインフレ見通しを60.4%上昇(前回4月調査時点で42.8%上昇)、23年末時点の見通しは19.2%上昇(同12.9%上昇)、24年末時点も8.8%上昇(同8.2%上昇)と予想。いずれも前回調査から引き上げている。インフレ率(全体指数)は今秋に約90%上昇と、ピークに達すると見ている。

 なお、政府が21年9月6日に発表した22-24年の新中期3カ年経済計画で、インフレ率の見通しは22年末時点で9.8%上昇、23年末時点で8%上昇、24年末時点で7.6%上昇と予想している。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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