【深センIPO】19日は3社が新規上場、創業板の2社が公募割れ

サーチナ

中国株

2022/9/21 9:46

 深セン証券取引所では9月19日、メインボードで浙江正特(001238/深セン)が、創業板で深セン市華宝能源(301327/深セン)と浙江万得凱流体設備科技(301309/深セン)がそれぞれ新規上場した。このうち、創業板に上場した2社は公募割れとなった。

 浙江正特は公開価格16.05元に対し、初値は20.00%高い19.26元だった。取引開始後さらに値上がりし、終値は値幅制限いっぱいとなる同43.99%高の23.11元だった。

 同社は1996年に臨海市正泰工芸品有限公司として設立した民営企業で、2015年に株式会社化、現社名となった。アウトドア用品、家具の研究開発、生産、販売を主業務としており、製品にはテントやパラソルなどの遮光用品、ペット小屋、ブランコ式ソファー、ハンモックなどがある。ウォルマートなどの大型小売チェーン店での販売や、アマゾンなどのオンラインチャネルを通じて、中国国内のほか、北米、欧州地域向けに販売を行っている。2021年12月期の売上高は12億3996万元(前期比36.28%増)、純利益は1億757万元(同32.28%増)。22年1〜6月期の売上高は8億8209万元(前年同期比31.04%増)、純利益は6233万元(同9.72%増)。

 新規上場に伴い調達予定の3億7494万元(約77億円)は、約67%の2億5119万元を年産90万点の屋外レジャー用品生産プロジェクトに、約21%の7712万元を研究開発・体験センター建設プロジェクトに、約12%の4662万元を国内半場合・体験センター建設プロジェクトに用いる。

 深セン市華宝能源は公開価格237.50元に対し、初値は1.01%下回る235.11元だった。取引開始後さらに値下がりし、終値は同11.37%安の210.50元だった。

 同社は2011年設立の民営企業で、16年に株式会社化した。リチウムイオン電池ポータブル電源、ソーラーパネルなどの研究開発、生産、販売を主業務としている。「Jackery」と「電小二」という2つのブランドを展開、主に米国、日本、英国、ドイツ、カナダなど海外向けに製品を販売している。ポータブル電源製品は日本で「防災安全協会推奨品認証」を取得するなど、世界的に高い評価を得ている。21年12月期の売上構成は、ポータブル電源が79.82%、ソーラーパネルが19.12%。また、売上の90%前後は海外での販売によるものだ。21年12月期の売上高は23億1514万元(前期比2.16倍)、純利益は2億7930万元(同19.46%増)。22年1〜6月期の売上高は13億1468万元(前年同期比35.77%増)、純利益は1億6040万元(同2.20%増)。

 新規上場に伴い調達予定の6億7620万元(約138億円)は、約29%の1億9843万元をポータブル電源製品生産拡大プロジェクトに、約15%の9931万元を研究開発センター建設プロジェクトに、約37%の2億5164万元をブランドデータセンター建設プロジェクトに用いる。

 浙江万得凱流体設備科技は、公開価格39.00元に対し、初値は16.15%下回る32.70元だった。終値は同13.62%安の33.69元だった。

 同社は2016年設立の民営企業で、配管器材の設計、開発、生産、販売を主業務としている。主な製品は、各種銅製水道・暖気バルブ、配管部品などで、建築物の給排水、冷水・温水の供給、暖房、汚水排出などのインフラに広く用いられている。製品はミドルクラスからハイエンドの位置づけで、高い環境保護性能を強みとして主に北米、欧州などの先進国・地域に輸出している。21年12月期の売上構成は、バルブが65.04%、配管部品が33.53%となっている。

 2021年12月期の売上高は7億4636万元(前期比33.41%増)、純利益は1億611万元(同50.87%増)。22年1〜6月期の売上高は4億2444万元(前年同期比32.58%増)、親会社株主に帰属する純利益は7183万元(同40.62%増)。

 新規上場に伴い調達予定の5億1949万元(約106万元)は、約78%の4億584万元を年産1億点のバルブ・非鉄金属生産プロジェクトに、約13%の6860万元をベトナムでの年産4200万点のバルブ・非鉄金属生産プロジェクトに、約9%の4505万元を研究開発センター建設プロジェクトに用いる。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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