FOMC、全員一致で0.75ポイント追加利上げ―23年まで利上げ継続の可能性

経済

2022/9/22 9:17

<チェックポイント>

●利上げは5会合連続―0.75ポイントの利上げは3会合連続

●ドット・チャートも上方修正、大半の委員が23年の政策金利を4.5%超と予想

●FRB議長、「インフレ率2%上昇に戻るまで利下げない」

 FRB(米連邦準備制度理事会)は21日のFOMC(公開市場委員会)で、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を0.75ポイント引き上げ、3.00-3.25%とすることを全員一致で決めた。08年初め以来14年ぶりの高水準。

 市中銀行がFRBに預け入れることを義務付けている準備預金の預入額に付与する金利も同率引き上げ、3.15%とする。22日から実施される。

 利上げ幅は市場予想通り。利上げは3月会合から5会合連続で、このうち0.75ポイントの利上げは3会合連続。大幅な連続利上げは高インフレだった1980年代初めのポール・ボルカー元FRB議長以来となる。

 FOMCの委員による金利見通しを示す「ドット・チャート」は、前回6月公表分から大幅に修正。22年末の政策金利は、3.75-4.00%とする1人を除く全員が4.00%以上を予想。特に4.25-4.50%のレンジ予想が9人と最も多くなった。6月時点では4.00%を上回る見通しを示していた委員は1人もいなかった。市場では、次回11月会合で0.75ポイント、12月会合で0.50ポイントの利上げを想定している。

 また、23年は4.25-4.50%、4.50-4.75%、4.75-5.00%がそれぞれ6人となった。前回は3.50-3.75%を予想する委員が7人と最も多かったため、引き締め方向へシフトした。

 一方、インフレは22年にピークに達し、その後は積極的な利上げにより、徐々に低下すると見ており、24年以降の金利見通しは引き下げ方向にシフトしている。

 FOMCの経済予測では、GDP(国内総生産)伸び率の見通しについては22年が従来の1.7%増から0.2%増に下方修正され、23年、24年も引き下げられた。失業率は22年が3.7%から3.8%に引き上げられ、23年以降、4%超に達すると予想。市場ではリセッションの到来を予想させると懸念している。

 パウエルFRB議長は会見で、前回会合時と同様、「(将来の)ある時点で、利上げペースを緩めることが適切となるだろう」とし、今後の利上げ規模が縮小する可能性に含みを持たせたが、「利下げは時期尚早」とし、インフレ率が2%上昇に戻るまでは利下げはないとの考えを改めて強調した。

 次回会合は11月1-2日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社

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