22年工作機械受注見通し上方修正―1兆7500億円に、EVや効率化投資旺盛

株式

2022/9/27 15:10

 日本工作機械工業会(日工会)が27日に発表した8月の工作機械受注(確報値)は、内需や中国などのアジアの外需が勢いを強めた。前年同月比の伸びは総額が10.7%と前月(5.5%)から拡大。内需は16.2%増、外需は7.7%増となった。日工会は22年の見通しを上方修正した。

 8月の受注総額は1393億円で、同月としては2018年の1404億円に次ぐ過去2番目の高水準。内需が518億円、外需が876億円だった。前月比ではいずれも減少したものの、夏季休暇が多いことを踏まえると堅調。外需は中国向けが298億円(前年同月比24.9%増)と2カ月ぶりに前月(280億円)を上回り、アジア全体では437億円(前年同月比21.7%増、前月比3.1%増)となった。

 日工会は22年の受注総額の予想を、従来の1兆6500億円から1兆7500億円(前年比13.5%増)に引き上げた。うち内需は6000億円(同17.6%増)、外需は1兆1500億円(同11.5%増)。これに対する1-8月累計の進ちょく率は総額が68%、内需70%、外需67%で、9-12月の総額の月平均は8月レベルの1393億円を見込んでいる。

 足元では、米国をはじめとする先進各国での金融引き締めの動きが景気に及ぼす影響も不安材料視されている。欧州向けの受注は7月が全同月比9.7%減、8月が同12.0%減にとどまった。ただ、日工会によれば国内外で工作機械の引き合いが強い状況が続いている。ロボットなどと組み合わせて生産効率を高めるための投資や、自動車の電動化に関連する設備のニーズがけん引している。

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ