人工関節など医療器具メーカーの北京市春立正達医療器械、22年1〜6月は約18%の増収もコスト増と売価下落で純利益はほぼ横ばい

サーチナ

中国株

2022/9/28 9:18

 人工関節などの医療器具を製造する北京市春立正達医療器械(01858/香港、688236/上海)が9月23日、2022年1〜6月期の半期決算報告を発表した。前年同期比で約18%の増収となる一方で、純利益は前年同期とほぼ同水準となった。

 同社は1998年設立で、2015年3月に香港メインボードに上場した。21年12月には上海科創板への重複上場を果たしている。中国国内をリードする整形外科医療器具メーカーであり、主に股関節・膝・肩・肘の人工関節、人工脊椎のインプラント製品の研究開発、生産、販売を手掛けている。19年における中国国内の関節インプラント医療器具市場シェアは8.96%で4位、中国企業の中では2位となっている。

 22年1〜6月期の売上高は5億7139万人民元で、前年同期の4億8263万元から18.39%増加した。売上増の要因として同社は、政府による人工関節製品の集中調達制度による販売増、脊椎製品、運動機能関連製品の販売が好調だったことを挙げている。人工関節製品の売上は5億2420万元で前年同期比13.43%増、人工脊椎関連製品は4110万元で同121.77%増、運動機能関連製品は454万元で同298.25%増となった。

 一方で、純利益は1億5698万元で、前年同期の1億5555万元から0.92%の増加に留まった。原材料価格の上昇に伴う原価増と政府による集中調達制度に伴う製品単価の下落によって粗利率が前年同期の76.51%から74.52%と約2ポイント減少する中、内部のコスト節約に努めるとともに、国内外市場の積極的な開拓、販売ネットワークの充実などを通じて販売量を増やし、わずかながらも増益を確保した形だ。

 研究開発費は7228万元で前年同期比111.19%増と大きく増加し、営業収入に占める研究費の割合は前年同期の7.09%から12.65%と5.56ポイント上昇した。関節ロボット、PRP(多血小板血漿)再生療法など新製品、新技術の開発に特に力を注いだこと、研究開発担当者の報酬増などが研究開発費増加の主要因となっている。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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