米8月新築住宅販売件数、前月比28.8%増の68.5万戸―予想大幅に上回る

経済

2022/9/28 9:47

<チェックポイント>

●手ごろ物件の増加と住宅ローン金利の一時的な低下が追い風

●住宅価格は前月比で6%超の大幅低下―業者の一部が値下げ

●今後の新築住宅市場は再び低迷か

 米商務省が27日に発表した8月の新築住宅販売件数(季節調整済み)は前月比28.8%増の年率換算68万5000戸と、3カ月ぶりに増加に転じ、市場予想の平均値である50万戸大幅に上回った。3月の70万7000戸以来5カ月ぶりの高水準。

 市場では、販売急増について、手ごろ価格の物件が増えたところに住宅ローン金利が一時的に低下したため、駆け込み需要が起きたと見ている。

 過去の販売件数は、7月が前回発表時の51万1000戸から53万2000戸、6月が58万5000戸から58万2000戸、5月が63万戸から63万6000戸と、6月を除いていずれも上方改定され、3カ月の販売件数は2万4000戸の上方改定となった。

 8月販売件数の内訳は、着工前時点での販売件数(バックログ)が前月比36.4%増の19万1000戸と3カ月連続で増加し、1月の21万2000戸以来7カ月ぶりの高水準となった。建築中の新築住宅の販売件数も同25.8%増の29万3000戸と3カ月ぶりに増加し、5月の34万4000戸以来3カ月ぶりの高水準。完成住宅の販売件数も同26.4%増の20万1000戸と、21年12月の22万3000戸以来8カ月ぶりの高水準となった。

 8月の住宅価格は中央値(季節調整前)で、前月比6.3%低下の43万6800ドルと低下に転じ、6月の42万8300ドル以来2カ月ぶりの安値となった。価格低下は一部の建築業者による値下げの影響とみられている。

 販売価格帯を見ると、40万ドル以上の高額物件の販売比率が60%と、7月の66%から急低下した一方、40万ドル未満の手ごろ物件の比率は前月の34%から40%に急上昇し、より低額物件にシフトした。

 地域別販売件数は、全体の約70%を占め、販売件数が最も多い南部が前月比29.4%増の46万7000戸と3カ月ぶりに増加。南部に次いで多い西部は同27.5%増の13万戸、中西部は同16.7%増の6万3000戸、北東部は同66.7%増の2万5000戸となった。

 住宅供給(在庫)をみると、8月の新築住宅在庫は前月比0.4%増の46万1000戸と8カ月連続で増加し、08年3月の47万戸以来14年5カ月ぶりの高水準となった。これを8月の販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準は8.1カ月相当と、前月の10.4カ月相当から低下し、3月の7カ月相当以来、5カ月ぶりの低水準となったが、1年前の6.5カ月相当や、住宅建築業界が需要と供給のバランスが取れた容認可能な水準とする6カ月相当を上回った。

 市場では、8月の販売件数の急増を一過性とみている。FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ継続により、住宅ローン金利は今後も上昇するとみられるうえ、建築資材不足や労働者不足で建築コストが上昇し、手ごろな価格帯の住宅供給が困難となるため、今後の新築市場は再び低迷するとの懸念が強い。

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

株式新聞オリジナルアプリ

株式関連ニュース・銘柄情報に特化した株式新聞のオリジナルアプリで、
いつでも最新の情報をチェックできる便利なアプリです。

  • Google Play
  • App Store
▲ページTOPへ