<一撃!裏銘柄>事業環境良好、直近IPOの押し目を狙う――eWeLL

株式

2022/9/29 11:30

 16日に上場したeWeLL<5038.T>は良好な事業環境と成長性に魅力がある。

 訪問看護事業所向けに、業務支援SaaS(サービスとしてのソフトウエア)を提供する。今12月期の非連結営業利益は、上期が3.4億円と通期計画(5億6200万円、前期比40%増)の6割に上る。下期に上場費用が発生することを踏まえても、順調な進ちょくといえる。

 クラウド型訪問看護専用電子カルテ「iBow」が成長をけん引する。医療・介護保険、自費診療が混在する訪問看護業務処理を効率化し、紙媒体の記録が一般的な訪問看護業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)に貢献。全国の訪問看護事業所のうち13.8%に当たる1977事業所が同社のサービスを契約し(6月時点)、直近の四半期の月次平均解約率は0.06%と低い。解約はステーションの閉鎖よるものが主因だ。

 iBowに追加機能をリリースすることにより、新規契約獲得を加速させる。年内にはAI(人工知能)画像認識システムを利用し、保険証などの情報を簡易に取り込める仕組みを構築するほか、勤怠管理を行っている「iBowKINTAI」のデータを活用し、訪問看護ステーションが経営の意思決定を行える統計データ提供機能を加える。

 新たな取り組みとして在宅治験(バーチャル治験)領域にも注力する。CRO(受託臨床試験機関)向け在宅治験コーディネート支援事業は、2023年の本格稼働へ向けテストを実施。年率7%の成長が見込める市場に食い込む布石を打った。

 競合の少ない高成長期待銘柄だけに、初値は公開価格1700円の2.3倍に相当する3910円を付けたが、米株安などの外部環境悪化により、足元では調整した。好実態に目を向ければ、早晩見直し機運が高まりそうだ。

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ