【香港IPO】EVメーカーの浙江零跑科技、初値が公開価格を14.58%下回りさらに下落

サーチナ

中国株

2022/9/30 9:26

 中国の電気自動車(EV)メーカー、浙江零跑科技(09683/香港)が9月29日、香港証券取引所のメインボードに新規上場した。公開価格48.00香港ドルに対して、初値は14.58%低い41.00ドルだった。取引開始後さらに値下がりし、一時は公開価格を40%以上下回る28.05ドルまで値を下げた。終値は同33.54%安の31.90ドルだった。

 同社は2015年設立のスマートEVメーカー。主に15万〜30万人民元のミドル・ハイクラスのEV市場をターゲットとしている。19年に同社初の量産モデルEVとなるS01の納車を開始し、20年5月には小型スマートEVモデルのT03、21年10月には中型SUVのC11の納車を開始した。今年5月に発表した中〜大型セダンのC01は、最大航続距離717キロメートルで中国の同価格帯EVモデル中で最長。25年末までにさらに7モデルのEVを発売する計画だ。

 21年には前年比5.4倍となる4万3748台を納車し、22年1〜6月には前年1年間を上回る5万1994台を納車するなど、中国の新興EVメーカーの中でも特に成長著しく、EVのコアシステム・電子部品に関わる全てのソフトウェア、ハードウェアの自主開発に成功した数少ない中国企業だ。

 21年12月期の売上高は31億3205万人民元(前期比4.96倍)、当期損益は28億4577万元の赤字(赤字額が同2.59倍)。22年1〜3月期の売上高は19億9035万元(前年同期比7.16倍)、当期損益は10億4220万元の赤字(赤字額が同2.62倍)。

 新規上場に伴い調達予定の約69億5000万香港ドル(約1280億円)は、約40%を自動運転やスマートコックピットのシステムを含む研究開発費用に、約25%を生産拠点の拡大や生産設備の自動化など生産能力の拡大費用に、約25%を販売・サービスネットワークの強化に、約10%をSNSなどを用いた販売促進に用いる。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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