米10月小売売上高、前月比1.3%増―市場予想上回る

経済

2022/11/17 9:07

<チェックポイント>

●自動車とガソリンが急増―原油高やハリケーン被災による買い替え需要で

●百貨店などは値引き販売で売上伸びず

●コア小売売上高は0.7%増―10-12月期GDPを押し上げへ

 米商務省が16日に発表した10月の小売売上高(季節・営業日調整後)は、前月比1.3%増の6945億ドルとなり、市場予想の平均値である1.0%増を上回った。インフレ調整後(10月CPIは前月比0.4%上昇)の伸びは0.9%増で、前月の0.4%減から急回復した。前年比は8.3%増だった。

 全13業種のうち、前月比で増加した業種数は9(前月は7)、減少した業種は3(同5)、横ばいは1業種(同1)。特に、月ごとに変動が大きいガソリンスタンドが4.1%増、自動車・部品が1.3%増となり、全体を押し上げた。原油高のほか、大型ハリケーン「イアン」で被災した車両の買い替え需要が伸びたとみられる。

 このほかでは、外食(レストラン・バー)、食品・飲料水販売、オンライン小売、家具・生活用品、ヘルス(薬局・美容)などが増加。対照的に、スポーツ用品・趣味・楽曲・書籍、電子機器・家電は低い伸びとなった。百貨店やスーパーなどの量販店を含む一般小売販売は過剰在庫の解消のための値引き販売で売上が伸びなかった。

 自動車・同部品を除いた小売売上高は1.3%増、ガソリンスタンドを除いた小売売上高は1.0%増、自動車・同部品とガソリンを除いた小売売上高は0.9%増。

 また、ガソリンスタンド、自動車・部品、建築資材や飲食レストランを除いた“コア小売売上高”(コントロール・グループ)は前月比0.7%増と、4カ月ぶりの高い伸びとなり、10-12月期GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費を押し上げる見通し。

 FRB(米連邦準備制度理事会)が連続で大幅利上げに踏み切るなかでも消費は強く、市場ではインフレ上昇を抑えるためにFRBが消費をさらに冷やすとみており、次回12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では少なくとも0.50ポイントの利上げを実施するとの見方が大勢を占めている。

提供:モーニングスター社

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