<新興国eye>前週のインド株、原油安や米利上げ減速観測を受け反発=BRICs市況

新興国

2022/11/28 8:57

 前週(21-25日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の25日終値は前日比0.03%高の6万2293.64、週間ベースでは18日終値比1.02%高と、反発した。

 週明け21日は指数が下落。翌22日は反発し、24日まで3日続伸した。

 週前半は、中国での新型コロナ感染者数の増加を受け、アジア市場が軟調となったことをが嫌気され、インド市場でも売りが優勢となった。中でも世界最大の製油所を運用する複合企業大手リライアンス・インダストリーズの下げがきつくなった。また、米証券大手ゴールドマン・サックスがインドの7-9月期GDP伸び率の見通しを従来予想の6.9%増から5.9%増に下方修正したことも売り材料となった。その後は、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化。中でもセメント最大手ウルトラテック・セメントが上げを主導。また、原油価格の下落も好感され、買いが強まった。インドは世界3大原油輸入国の一つとして知られ、原油安は支援材料となる

 週後半は、欧米市場が堅調となったことを受け、インド市場でも買いが優勢となった。また、オーストリアの世界耐火物大手RHIマグネジッタのインド法人が国内耐火レンガ大手ダルミア・バーラト・リフラクトリーズ(DBRL)の買収発表後、急騰し、上げを主導した。その後は、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が公表され、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げペースを減速させる可能性を示唆したことを受け、資金流出懸念が緩和し、買いが一段と強まった。

 週末25日は4日続伸。これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まったが、その一方で、リライアンス・インダストリーズやIT大手ウィプロ、インダスインド銀行、鉄鋼大手タタ・スチール、スズキのインド法人マルチ・スズキ・インドの優良株が買われ、方向感のない展開となる中で、プラス圏で引けた。

 今週(11月28日-12月2日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内の景気動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は30日の7-9月期GDP伸び率と10月インフラ生産高、1日の11月日経インド製造業PMI(購買担当者景気指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:モーニングスター社

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