【為替本日の注目点】WTI原油価格76ドル台まで下落

為替

サーチナ

2022/11/28 10:16

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は小動きの中、堅調に推移。債券と株式市場が短縮取り引きであったこともあり、139円台前半から半ばで推移。ユーロドルはやや下落したものの、前日とほぼ同じ水準で推移。1.04を挟みもみ合いに。株式市場は薄商いの中、まちまち。ダウは152ドル上昇したが、S&P500とナスダックは小幅に反落。債券は短縮取り引きの中、小幅に買われる。長期金利は3.67%台で推移。金は3日続伸し、原油は売られる。

マーケット情報

ドル/円 139.02 ~ 139.55

ユーロ/ドル 1.0355 ~ 1.0415

ユーロ/円 144.40 ~ 144.93

NYダウ +152.97 → 34,347.03ドル

GOLD +8.40 → 1,754.00ドル

WTI -1.66 → 76.28ドル

米10年国債 -0.015 → 3.678%

本日の注目イベント

豪 10月小売売上高

欧 ユーロ圏10月マネーサプライ

米 ウィリアムズ・NY連銀総裁、オンラインイベントで講演

米 ブラード・セントルイス連銀総裁、ライブイベントでインタビュー

米 サイバーマンデー(感謝祭翌週の月曜日)

 依然として高インフレが続き、株式市場も低迷する中、個人の消費意欲を占う意味でも注目されていた今年の「ブラックフライデー」は、事前予想では厳しいと見られていただけに、まずまずの結果だったようです。実店舗での売り上げは前年比「2.9%増」でした。また、ネット通販の売上高は「2.3%増」の91億2000万ドル(約1兆2700億円)でした。全体としては緩やかな伸びにとどまり、やはり高インフレと消費センチメントの落ち込みが需要を抑えたようです。小売り各社が衣料品などの在庫過剰を抱えていたこともあり、年末商戦の値引き率は過去最高水準になったと見られ、その安さに引かれ、早めに「クリスマスプレゼント」を買っておくといった行動も見られたようです。本日28日(月)は、ネット企業が一斉にセールを行う「サイバーマンデーです。家具や電子機器の割引が予定され、アドビ・アナリティクスは前年比5.1%増の112億ドルの売り上げを予想しています。米国では「ブラックフライデー」を皮切りに年末商戦が始まりますが、この状況が年末まで持続できるのかは依然として不透明です。

 中国でのコロナ感染の拡大が厳しい規制を続けていながらも止まらず、27日には、住民や学生による制限装置に対する抗議の動きが広がりました。きっかけは新疆ウイグル自治区ウルムチ市の高層マンションで24日夜発生した火災で、少なくとも10人が死亡したことが挙げられています。この火災で助けを求める女性の映像がSNSで出回り、ロックダウンが救出を妨げたのではないかと、市民の怒りに火を付けたようです。オンラインで広がった抗議の動きは北京や上海などの大都市にも及び、地元当局や中国共産党にも矛先を向け、習近平国家主席の退陣を訴える声も聞かれた(ブルームバーグ)ようです。

 先週後半、ドル円は138円07銭近辺まで売られる局面がありました。FOMCでの利上げペースの見直し観測がドルの上値を重くし、さらにテクニカルでも「日足の雲を下抜け」したことで、ドルの持ち高を調整する動きが続き、これらがドル円を押し下げたと見ています。FOMCメンバーの多くは、目先のインフレ率の低下に対する市場の楽観的な見方に対してけん制する発言を行ってきましたがドルの戻りは鈍く、今のところそれほど効果的ではありません。今週も引き続き地区連銀総裁など、メンバーの発言には注意が必要です。ドル円は139円台まで戻してきましたが、チャートでは依然として雲の下で推移しており、雲の形状が上方に伸びているため、さらに雲とローソク足の間にあるギャップは拡大傾向にあります。今後ドル円が何らかの材料に反応して戻る可能性もありますが、その際「雲の下限」が今度はレジスタンスとして機能することになります。今日現在で言えば、その水準は「141円73銭前後」にあります。WTI原油価格も76ドル台まで低下してきました。原油価格の低下は日本の貿易赤字の減少に寄与してきます。徐々にではありますがドル需要の減少につながり、「ドル安要因」の小さな一つにはなり得ると考えられます。

 本日のドル円は138円~140円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://www.morningstar.co.jp/redirect/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://www.morningstar.co.jp/redirect/gaitameonline_calender.htm

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ