(再送)松屋R&D「エアバッグなど需要好調で成長トレンド明確に」=後藤秀隆社長に聞く(2)

株式

2022/11/29 11:30

 松屋アールアンドディ(松屋R&D)<7317.T>は縫製工程を自動化する独自技術を生かし、縫製自動機の開発・製造・販売のほか、血圧計センサーのカフ(腕帯)、カーシート、エアバッグなどの製造・販売など、幅広い事業を展開している。新型コロナの影響で一時は苦戦したものの、23年3月期は業績好調で、上期決算は大幅な増収増益を達成した。新規事業開発にも積極的で、長期的な成長期待も大きい。同社の現状と将来のビジョンについて後藤秀隆社長に聞いた。(1)からつづく

 ――新規事業はどんな状況にありますか。

 「7月に多目的リハビリテーションロボット『Luna EMG』の医薬品医療機器法における製造及び販売にかかる認証を取得しました。リハビリテーションの生産性向上、健康寿命の延伸を目的として、現在、モニター用を設置した1カ所のリハビリ施設において10人程度が週2回使用しています。同ロボットについては、ゲーム感覚で楽しみながら利用できる上、利用前と後で体の動きや歩き方の改善がみられると、高評価を得ています。大学病院、リハビリセンターなどから引き合いがあり、下期には販売を開始できるでしょう。将来的には自社でリハビリセンターの展開も視野に入れています」

 「また、オムロン<6645.T>と共同で、伸び縮みのある柔らかい素材の縫製を実現するよう、AI画像処理技術を活用した3D縫製ロボットの開発を行っています。技術検証として試作機を製造し、今後は複数の特許を申請する予定です。同ロボットは熟練縫製工の高度な縫製作業をロボットで置き換えることが可能となることから、スマートファクトリーの構築とともに、国内への生産回帰も目標としています。さらに、オムロングループのオムロンヘルスケアとは資本・業務提携を強化し、カフの新規開発や製造の品質向上・コストダウンに取り組んでいます」

 ――海外展開について教えてください。

 「ポーランドを拠点に、ルーマニア、チュニジアなどに展開するほか、メキシコ、インドにも進出しています。これまで新型コロナで思うような営業活動ができませんでしたが、現在は人材への投資を行い、対面の営業を積極的に展開し、顧客開拓を進めています。当社の主力である縫製自動機事業は、顧客に購入してもらった自動機を当社工場に設置した上で、製品を製造し顧客に納入するというビジネスモデルです。それをよりグローバルに推進していく局面となってきました」

 「ベトナムでは従来の5工場をすべて集約した新工場を新規に購入した土地に建設します。これまでは土地、建物ともレンタルでしたが、自社工場を保有することで、今後は固定資産の減価償却費や借入の金利を加味しても1億円以上のコスト削減が見込めます。現在、新工場建設は計画通りに進んでおり、来期以降はコスト削減が明確になるでしょう。さらに、現状の第1工場から第5工場も有効活用し、新たな事業展開を図り、さらなる売上、利益の拡大に努めてまいります」

提供:モーニングスター社

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