<飛翔期待のお宝株>スマホ決済市場で圧倒的成長へ、テンバガー期待の小型株は?

株式

2022/11/29 16:00

 スマートフォン決済をめぐっては、Zホールディングス<4689.T>傘下の「PayPay」、楽天グループ<4755.T>の「楽天ペイ」、NTTドコモの「d払い」、KDDI<9433.T>の「auPay」、メルカリ<4385.T>の「メルペイ」などがしのぎを削り、キャンペーン合戦による消耗戦で収益性が厳しい状況にある。しかし、そうした中でコストも掛けず、来年には利用者数が爆発的に伸びるであろうサービスがある。今回はビリングシステム(ビリングS)<3623.T>を取り上げたい。

―チャージ不要の「PayB」攻勢―

 同社のスマホ決済「PayB」の強みは、5大国際ブランドのクレジットカードおよび、ゆうちょ銀行<7182.T>やメガバンクなど600を超える金融機関の預金口座とひも付けられたデビット機能を備えた決済アプリがほかには存在しないということだ。チャージを必要としない利便性から、1400を超える地方公共団体で採用が広がっている。

 その結果、同社は10月に国民年金保険料のスマホ決済による納付業務を受託した。同社のサービス対象は、国民年金保険料のコンビニ収納件数の年間約2000万件だ。取り扱いが開始する来年2月以降、認知度や信用力が否応なく高まることになる。

 さらに、来年4月から始まる地方税統一QRコード制度でも強い追い風が吹きそうだ。地方税のコンビニと金融機関窓口での収納件数は年間約2億2000万件。この制度には複数の事業者が参画できるとはいえ、同社の強みがいかんなく発揮され、利用件数が爆発的に増えそうだ。また、独占的に受託した国民年金案件でのアドバンテージを生かし、今後、国税案件でも受託できる可能性が高まるだろう。

―投資回収期で収益急拡大も―

 22年12月期第3四半期累計(7-9月)の連結営業利益は3億2800万円(前年同期比44.6%増・進ちょく率85.4%)と通期(3億8400万円、前期比11.3%増)の上方修正が濃厚だ。しかし、それよりも大きな意味を持つのは、先行投資の回収期を迎える来期の収益急拡大が視野に入ってくるということだ。

 同社IR(投資家向け広報)によれば、国民年金の納付業務受託を受けて、ファンド(機関投資家)の問い合わせやミーティングの申し込みが数件来ているという。時価総額100億円以下の会社では、あまりみられない現象だ。

 株価は10月25日に1288円の年初来高値を付けたあと、高値圏でもみ合いを続けているが、国策に乗った同社の評価は次第に高まり、来期以降は2018年の高値4070円、13年の高値5312円に次々トライする展開が期待される。

提供:モーニングスター社

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