米9月S&PコアロジックCS住宅価格指数、前年比10.6%上昇―6カ月連続で減速

経済

2022/11/30 8:48

<チェックポイント>

●20都市圏は前年比10.4%上昇―市場予想下回る

●全20都市圏で前年比の伸びが鈍化

●S&P、「住宅ローン金利上昇で引き続き伸び鈍化」を予想

 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が29日に発表した米9月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(季節調整前)は、一戸建て中古住宅の価格動向を示す総合指数である全米住宅価格指数が前月比1.0%低下の300.41と3カ月連続で低下。季節要因を無視できる前年比は10.6%上昇と、8月の12.9%上昇から減速した。減速は6カ月連続。

 住宅ローン金利はフレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)の30年固定金利の平均約定金利は10月が6.9%と、9月の6.11%や8月の5.22%、7月の5.41%、6月の5.52%を上回り、09年以来13年ぶりの高水準となっている。ただ、直近の11月23日時点で6.58%と、低下の兆しがある。

 また、市場が最も重視している主要20都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比1.5%低下の306.29と3カ月連続で低下し、前年比では10.4%上昇と、市場予想の平均値である10.7%上昇を下回った。

 都市別の前年比では、20都市すべてが前月の伸びを下回った。マイアミが24.6%上昇、タンパが23.8%上昇と、2カ月連続で30%を下回った。このほかでは、シャーロットが17.8%上昇、ダラスが16.3%上昇、アトランタが17.1%上昇、ラスベガスが12.9%上昇、フェニックスが12.6%上昇、ニューヨークが10.6%上昇、サンディエゴが9.5%上昇、デンバーが9.3%上昇、ロサンゼルスが8.8%上昇、シアトルが6.2%上昇、サンフランシスコが2.3%上昇となった。

 主要10都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比1.4%低下の317.35と、3カ月連続で低下。前年比は9.7%上昇となり、5カ月連続で減速した。

 S&Pダウジョーンズ・インデックスのマネージング・ディレクター兼指数管理担当責任者であるクレイグ・ラザラ氏は今後の見通しについて、「FRB(米連邦準備制度理事会)が金利を引き上げ続けているため、住宅ローンの資金調達コストは一段と高まり、住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)が低下している。このため、(今後も)住宅価格は減速する可能性がある」としている。

提供:モーニングスター社

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