エフコード、快走続く―1-9月営業益は通期予想を超過

株式

2022/11/30 9:00

 エフ・コード<9211.T>の業績が好調だ。22年12月期第3四半期累計(1-9月)の営業利益(非連結)は、5月に上方修正した通期予想を早くもクリアした。主力のウェブ接客ツール「CODE Marketing Cloud」の周辺サービスを充実させ、来期に向けても業績拡大が見込まれる。

<「CODE Marketing Cloud」、DXで追い風>

 同社はCX(顧客体験)領域のSaaS(サービスとしてのソフトウエア)やデータ解析技術と知識を活用し、広範囲に渡るデジタルサービスを提供する。企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を急ぐ中で、同社の「CODE Marketing Cloud」が支持を集めている。

 「CODE Marketing Cloud」は、利用者の過去の購買行動や商品の閲覧履歴といったデータを分析し、それぞれに適した情報を提案できる。顧客情報の蓄積に伴い接客の質向上も図る。

 従来はEC(=Eコマース、電子商取引)や旅行情報サイトで使われてきたが、このところはセールスのデジタル化ニーズでBtoB(企業間取引)でも注目されている。パナソニック ホールディングス<6752.T>などの大手企業もエフコードのサービスを採用するなど、9月末時点で累計社数が1000社以上となっている。

 1-9月の営業利益は2億円(前年同期比42%増)となり、通期計画(1.8億円、前期比12%増)を超過達成した。第4四半期(10-12月)には開発投資やM&A(企業の合併・買収)関連費用が発生する見通しだが、利益は強含みの推移とみられる。

<M&Aでサービス拡充>

 7-9月のクライアント数は前年同期比で73%増加し、前四半期(4-6月)比でも29%伸びた。9月にブルースクレイ・ジャパン社のSaaS(サービスとしてのソフトウエア)事業を買収したことが背景にあり、顧客の基盤が一気に厚みを増している。低単価の顧客数が増えたことで一時的に低下した平均単価も、中・長期での上昇トレンドは変わらないとみられる。

 主軸の「CODE Marketing Cloud」に加え、アプリやチャットボットなどの周辺サービスも充実させる。10月にはメディアリンク社のチャットボットツール「シンクロ」を譲り受け、事業運営を開始した。使いやすさに定評があり、顧客満足度の高いサービスだ。11月にはhachidori社よりLINE活用型マーケティング・チャットボット「hachidori」を譲り受けることを発表した。「LINE」「LINE WORKS」の認定パートナーとして高い評価を受けているサービスとなる。両サービスともに「CODE Marketing Cloud」とのシナジー(相乗)効果も期待される。

 直近でもデータマーケティングに特化したコンサルティングファームand,a社(東京都目黒区)や、有人チャットサービスを手掛けるnene社(宮崎県宮崎市)と業務提携するなど、拡大戦略が加速している。

提供:モーニングスター社

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