<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油安や利食い売りを受け3週続落=BRICs市況

新興国

2022/12/5 9:18

 前週(11月28日-12月2日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の2日終値が前日比1.43%安の1107.55、前週比では11月25日終値比2.90%安と、3週続落した。

 週明け28日は指数が下落。翌29日は反発した。30日は反落し、12月相場入りした1日まで続落。

 週前半は、海外株安が嫌気され、ロシア市場でも売りが優勢となった。ブレント原油先物が1バレル当たり81ドルを割り込んだことも売り材料となった。原油安は新型コロナ感染拡大防止の活動規制強化による中国経済の減速懸念が背景。その後は、国営石油大手ロスネフチのイーゴリ・セーチンCEO(最高経営責任者)が中国の石油・ガス、石炭などの主要分野で協力する用意があると発言したことを受け、原油価格が上昇したことや、ルーブル高が好感され、買いが優勢となった。

 週後半は、海外株安でロシア市場でも売りが強まった。ただ、ルーブル高や、原油価格が中国のゼロコロナ政策の緩和期待を受け、86ドルを超えたため、下値は限られた。その後は、ルーブル安を受け、売りが優勢となった。しかし、原油価格が89ドル台に上昇したことや、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が講演で、12月会合で利上げペースを減速させる考えを示したことが好感され、海外市場が堅調となったため、ロシア市場の下落は限定的となった。

 週末2日は3日続落。週末を迎えて利食い売りが強まった。また、OPEC(石油輸出国機構)プラス会合や、G7(先進主要7カ国)によるロシア産原油の輸入価格の上限設定(5日)、EU(欧州連合)によるロシア産原油の海上輸入禁止(5日)を控え、積極的な買いは控えられた。

 今週(5-9日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える6日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や7日の米EIA週間石油在庫統計、G7のロシア産原油の輸入価格への上限設定(5日)、EUのロシア産原油の海上輸入禁止(5日)も注目される。主な経済発表の予定は5日のロシア非製造業PMI(購買担当者景気指数)や9日の11月CPI(消費者物価指数)など。RTS指数は1080-1150の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ