<新興国eye>前週のインド株、海外株高や原油安、外国人投資家の買い越しを受け続伸=BRICs市況

新興国

2022/12/5 9:20

 前週(11月28日-12月2日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の2日終値は前日比0.66%安の6万2868.5、週間ベースでは11月25日終値比0.92%高と、続伸した。

 週明け28日は指数が上昇。12月相場入りした1日まで8営業日続伸した。

 週前半は、原油価格が下落したことや、外国人投資家の買い越しの継続が好感され、買いが優勢となった。インドは世界3大原油輸入国の1つとして知られ、原油安は支援材料となる。また、政府が農村部の住宅建築プロジェクトに2800億ルピーを支援すると発表したことも買い材料となった。個別銘柄では複合企業大手リライアンス・インダストリーズが買われ、上げを主導。その後は、ITや医薬品のセクターが物色され、一段と買いが強まった。中でもタイヤ大手JKタイヤ・アンド・インダストリーズが上げを主導。同社は原材料コストの低下や製品値上げが好感されて急伸、過去最高値を記録した。

 週後半は、欧州株高が好感され、インド市場でも買いが広がった。外国人投資家の買い越しも支援材料。個別銘柄では地元のインド料理宅配大手ゾマトが急伸し、上げを主導した。中国インターネット大手アリババ・グループがゾマトの持ち株(3%)を売却するとの一部報道が背景。その後は、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が講演で、12月会合で利上げペースを減速させる考えを示したことが好感され、海外市場が堅調となったことや、インド7-9月期GDP伸び率が前年比6.3%増と、前期の同13.5%増を下回ったものの、市場予想(同6.2%増)を上回ったことが好感され、買いが優勢となった。

 週末2日は反落。海外株安となり、インド市場でも売りが優勢となった。また、週末を控え、利食い売りも強まった。

 今週(5-9日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内の景気動向、主要企業ニュース、インド準備銀行(中銀)の金融政策決定会合(7日)も注目される。主な経済指標の発表予定は、5日の11月日経インド製造業PMI(購買担当者景気指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:モーニングスター社

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