<新興国eye>トルコ家電アルチェリッキ、米同業ワールプールと欧州事業統合で合意―合弁会社設立へ

新興国

2023/1/19 9:02

 トルコ複合企業大手コチ・ホールディング傘下の多国籍家電メーカー、アルチェリッキは17日、米同業大手ワールプール<WHR>との間で、(1)両社の欧州家電販売事業拠点として、新会社を共同出資で設立すること(2)アルチェリッキがワールプールの中東・アフリカ事業を2000万ユーロの現金で買収することの2点で合意したこと――を明らかにした。

 新会社にはアルチェリッキの欧州部門アルダッチとワールプールEMEAホールディングスが参画。アルチェリッキが全体の75%、ワールプールが残りの25%を出資する。両社の欧州事業の統合は規制当局の審査を経て、23年下期(7ー12月)に完了する予定。新会社の年間売上高は両社の21年の販売額に基づき、60億ユーロとなる見通し。

 ワールプールは22年4月、欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域での利益率が低下しているため、今後、より高い利益が見込める事業に経営の重点を移す計画を発表している。特に、ワールプールなどの多国籍企業は欧州の景気後退やインフレ加速による製造コストの急増を受け、欧州事業を縮小し始めている。対照的に、トルコではリラ安の追い風を受け、輸出競争力が高まっており、トルコで製造した方が安上がりとなっている。

 ワールプールの21年の中東・アフリカ事業の売上高は42億ドル、欧州を含めたEMEA全体では50億1000万ドルとなっている。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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