米12月小売売上高、前月比1.1%減―市場予想上回る

経済

2023/1/19 9:55

<チェックポイント>

●自動車除く小売売上高が市場予想を大きく上回る減少に

●自動車・同部品は前月から減少幅縮小―ガソリンは大幅減

●市場、FRBの利上げ継続で年内は弱い傾向続くと予想

 米商務省が18日に発表した12月の小売売上高(季節・営業日調整後)は、前月比1.1%減の6771億ドルと、2カ月連続で減少し、市場予想の平均値である0.9%減よりも悪化した。前年比は6.0%増と、前月と変わらなかった。

 自動車を除く小売売上高の前月比も1.1%減だったが、市場では0.5%減と、全体よりも小幅な減少にとどまるとみていたため、自動車以外の減少が市場予想以上だったことになる。

 分野別の前月比は、家具・生活用品が2.5%減となり、11月の2.2%減よりも減少率がやや拡大。外食(レストラン・バー)が0.9%減(11月は0.1%減)、百貨店やスーパーなどの量販店を含む一般小売販売が0.8%減(同0.2%減)と、いずれも前月よりも減少幅が大きくなった。一般小売販売のうち、特に百貨店は6.6%減(同3.2%減)と、大きく減少している。また、オンライン小売は1.1%減(同0.1%増)、ヘルス(薬局・美容)は0.9%減(同0.6%増)と、減少に転じた。

 対照的に、ホームセンターなどの建築資材・園芸は0.3%増(同3.1%減)、スポーツ用品・趣味・楽曲・書籍は0.1%増(同0.3%減)と増加に転じている。グローサリーストア(食品雑貨店)を含む食品・飲料水販売は横ばい(同0.4%増)だった。上昇業種の大半は物価高による消費金額の増加を反映している。

 自動車・同部品は1.2%減(同2.6%減)と11月から減少率が縮小した。

 一方、ガソリンスタンドは同4.6%減(同1.6%減)と11月の下落率を大きく上回った。原油安によるガソリン価格の低下が背景。ガソリンスタンドを除いた小売売上高は同0.8%減、自動車・同部品とガソリンを除いた小売売上高は同0.7%減。ガソリンスタンドと自動車・同部品に加え、建築資材や飲食レストランを除いた、いわゆる“コア小売売上高”(コントロール・グループ)は0.7%減。

 市場は、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを継続するとみているが、今回の弱い小売売上高を受け、次回2月1日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では利上げ幅を0.25ポイントに縮小するとみている。ただ、FRBの利上げ継続により23年の小売売上高は弱い傾向が続くとみており、上半期にリセッション(景気後退)になると警戒している。

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ