米12月新築住宅販売件数、前月比2.3%増の61.6万件―市場予想上回る

経済

2023/1/27 9:49

<チェックポイント>

●11月分が60.2万件に下方改定―過去3カ月は合計5万4000件の引き下げに

●販売価格は44万2100ドルと2カ月連続で低下―低額物件にシフト

●今後は住宅ローン金利の低下や値引き販売で低調ながら上向くとの見方も

 米商務省が26日に発表した22年12月の新築住宅販売件数(季節調整済み)は、年率換算で前月比2.3%増の61万6000件と、市場予想の平均値である61.2万件をやや上回った。

 一方、過去3カ月(9-11月)の販売件数は、11月が64万件から60万2000件、10月が60万5000件から59万8000件、9月が55万9000件から55万件に引き下げられ、合計5万4000件の下方改定となった。

 12月の販売件数の内訳は、着工前時点での販売件数(バックログ)が前月比35%増の15万4000件と3カ月連続の大幅増となった。対照的に、建築中の住宅販売件数は同0.8%減の26万3000戸と4カ月連続で減少した。完成住宅の販売件数も同10.8%減の19万9000戸と大きく減少している。

 住宅価格の中央値(季節調整前)は、前月比3.7%低下の44万2100ドルと、2カ月連続で低下した。40万ドル以上の高額物件の販売比率が57%と、11月の62%から低下した一方、40万ドル未満の手ごろ物件比率は43%と、前月の38%を上回り、低額物件にシフトした。

 新築の住宅在庫(着工前や建築中の住宅も含む。季節調整値)は、前月比横ばいの46万1000件。12月の販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準は9カ月相当と、前月の9.2カ月相当からやや低下した。住宅建築業界が需要と供給のバランスが取れているとする水準は6カ月相当。

 住宅在庫のうち、すぐに販売できる完成戸数は前月比10.9%増の7万1000件と、9カ月連続で増加したが、未着工件数は全体の21.5%、建築中件数も全体の63%を占め、依然、供給不足感が強い。在庫全体では住宅バブル期の在庫水準である45万件を超えているが、フレディマックの調査によると、現在の住宅取得需要を満たすためには最大400万件が不足していると試算されている。

 今後の見通しについては、市場では住宅価格が高水準なことや、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ継続が新築市場に逆風となるとみているが、最近の住宅ローン金利が低下傾向にあることや、住宅建築業者による値引き販売により、低調ながらも上向くとの見方もある。

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ