【為替本日の注目点】12月のPCEデータ市場予想と一致
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は小動き。PCEデータが予想通りだったものの、インフレ率の鈍化傾向が確認され、ドル売りがやや優勢に。ユーロドルは前日の高値から小幅に低下。株式市場は3指数が続伸。ダウは小幅ながら6日続伸。ナスダックは連日で大幅続伸。債券相場はほぼ横ばい。長期金利は3.5%台で越週。金と原油は下落。
マーケット情報
米 12月個人所得 → 0.2%
米 12月個人支出 → -0.2%
米 12月PCEデフレータ(前月比) → 0.1%
米 12月PCEデフレータ(前年比) → 5.0%
米 12月PCEコアデフレータ(前月比) → 0.3%
米 12月PCEコアデフレータ(前年比) → 4.4%
米 12月中古住宅販売成約件数 → 2.5%
米 1月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 64.9
ドル/円 129.57 ~ 130.07
ユーロ/ドル 1.0838 ~ 1.0879
ユーロ/円 140.87 ~ 141.21
NYダウ +28.67 → 33,978.08ドル
GOLD -0.60 → 1,929.40ドル
WTI -1.33 → 79.68ドル
米10年国債 +0.008 → 3.503%
本日の注目イベント
欧 ユーロ圏1月消費者信頼感(確定値)
欧 ユーロ圏1月景況感指数
先週末のNYではPCEデータが発表されましたが、結果は市場予想とほぼ一致し、相場を大きく動かす材料にはなりませんでした。為替市場も比較的小動きで、米金融当局が利上げペースを減速させるという見方に変化はないということで、ドル円はやや売りが優勢となる展開でした。このところ好調な株式市場も、小幅ではありますが、ダウは6日続伸し、他の2指数も上昇して引けています。株価が堅調に推移するという観点からすると、利上げペースが今後も減速することにつながり、ドル円にとっては下落要因になりますが、一方でリスク資産の株式が買われるということは、相対的に安全資産の債券が売られ易く、金利上昇傾向からドル円が買われると、読むこともできます。重要なのは、やはり今後の消費者物価指数がどこまで低下するのかといった点と、好調な雇用がいつ崩れるのかといった部分です。
イエレン財務長官はブルームバーグとのインタビューで、最近のインフレと雇用に関するデータは心強いとしながらも、金利が高い水準にとどまる中で米経済がリセッションに陥るリスクがあることを認める発言を行っています。イエレン氏は、「これまで目にしたデータにはそこそこ満足している」としつつも、金融当局が経済を減速させつつあることを踏まえ、「リセッションのリスクを最小化したくはない」と述べています。ブルームバーグの調査では、米経済が向こう1年間にリセッションに陥るリスクは65%程度と予想されています。「経済が予期せぬショックを回避した場合、米金融当局がソフトランディングを達成できるか否かは労働市場の状況次第だ。ただそれは、失業率の上昇回避を意味する訳ではない」と説明しています。
12月のPCE(個人消費支出)価格指数は、総合指数、コア指数ともに前月から鈍化し、過去1年余りで最も低い伸び率となっていました。総合指数は「5.0%」の上昇、(11月は5.5%)で、コア指数は「4.4%」(11月は4.7%)(いずれも前年同月比)でした。パウエルFRB議長はPCEコア指数について、「インフレ動向を測る上でより正確な指標だと考えている」と述べたこともあり、FRBが同指標をCPIよりも重要視している可能性があります。同指数が低下傾向を鮮明にしていることから、米国のインフレ率は昨年6月にピークを付けたことがより確実になったと思われます。
米予算が債務上限に達し、暫定措置が実施されている中、マッカーシー下院議長はバイデン大統領と、上限引き上げや歳出削減、米国債のデフォルト回避を巡り、2月1日に会談することをCBSの番組で明らかにしました。バイデン大統領は連邦債務上限を交渉材料とすることを拒否し、当初、会談には応じない姿勢を見せていましたが、ホワイトハウスの報道官は、「債務上限は交渉材料ではない。経済的混乱の回避はこの国およびその指導者の義務だ」との姿勢をもって会談に応じるようだと述べています。
ドル円はもみ合いが続いています。上値は130円台後半、一方下値は127円台前半が抜けない限り明確な方向性が出ないと思われます。今週は、その方向性が出る可能性があります。1日(水)には今年最初のFOMC会合の結果が発表され、週末には早くも1月の雇用統計です。本日のドル円は128円50銭~130円50銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)
・今日のアナリストレポート
https://www.morningstar.co.jp/redirect/gaitameonline_academy01.htm
・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
https://www.morningstar.co.jp/redirect/gaitameonline_calender.htm
関連記事
-
<米国株情報>玩具ハスブロは大幅続落、第4四半期は赤字見通しに―従業員削減も発表
2023/1/30 10:21
玩具大手ハスブロは27日、前日比8.11%安の58.61ドルと大幅に続落した。26日夕方、22年12月期第4四半期(10-12月期)の業績見通しを発表した。 売上高は前年同期比17%増の16億800・・・…続き
-
<米国株情報>シェブロンは反落、第4四半期のEPSが市場予想下回る
2023/1/30 10:20
石油大手のシェブロンが27日、前日比4.44%安の179.45ドルと反落した。同日早朝に発表した22年12月期第4四半期(10-12月)の決算が売り材料視された。 第4四半期の売上高は前年同期比17・・・…続き
-
キヤノン電子が急騰、23年12月期も増収増益を予想
2023/1/30 10:16
キヤノン電子が急騰し、一時132円高の1690円を付けている。前週末27日引け後、23年12月期の連結業績予想を発表。増収増益見通しを示し、好感された。 23年12月期業績は、売上高・・・…続き
-
(再送)イントラストが急騰、23年3月期第3四半期決算は大幅な増収増益で着地
2023/1/30 10:11
イントラストが急騰し、一時110円高の971円を付けている。前週末27日引け後、23年3月期第3四半期累計(22年4-12月)の単体決算を発表。大幅な増収増益で着地し、買い人気を集め・・・…続き
-
日経平均は21円高、下げ転換後に切り返すも買い続かず
30日午前10時時点の日経平均株価は前週末比21円06銭高の2万7403円62銭。朝方は、前週末の米国株高を支えに買いが先行した。いったん下げに転じた後、株価指数先物買いを交えて切り返し、一時2万7・・・…続き
速報ニュース
-
香港大引:ハンセン2.2%高で3日続伸、テック銘柄に買い戻し
43分前
-
225オプション・コール(期近・4月24日・権利行使価格3万9000円)
1時間前
-
225オプション・プット(期近・4月24日・権利行使価格3万7500円)
1時間前
-
1時間前
-
1時間前
-
1時間前
-
今晩のNY株の読み筋=様子見材料多く、75日線意識した展開か
1時間前
-
中国大引:上海総合0.8%高で4日ぶり反発、ハイテク株に買い
1時間前
-
24日のPTS注目ポイント=ファナック、パナソニック、サイバー、IHIなど
2時間前
-
2時間前