四環医薬HD、子会社の小児用抗けいれん薬が中国の保険適用リストに収載

サーチナ

中国株

2023/1/31 9:15

 中国の脳・心臓血管疾患治療薬メーカー、四環医薬HD(00460/香港)は1月27日、子会社の製造するミダゾラム口腔用液が中国国家医療保険リストに収載されたことを発表した。

 公告によれば、中国の国家医療保障局および人力資源・社会保障部が発表した「2022年国家医療保険リスト」に、同社の子会社である吉林四環澳康薬業有限公司が製造するミダゾラム口腔用液が収載され、医療保険適用対象医薬品となった。

 吉林四環澳康薬業が製造するミダゾラム口腔用液はベンゾジアゼピン系の催眠鎮静剤で、中国で初めて幼児、児童、青少年向けに開発された口腔用液タイプのミダゾラム薬剤である。生後3か月〜18歳の高熱やてんかんによる急性、持続性けいれん発作の治療に用いる。これまでのミダゾラムは内服、静脈注射による投与が一般的で、けいれん発作中の乳幼児、児童への投与は非常に不便だったが、同社の開発したミダゾラム口腔用液により、投与の利便性が大いに向上し、家庭での応急処置にも利用できるようになった。

 医療関連データ企業のIQVIAによれば、21年における中国のミダゾラム市場規模は約7億7000万人民元で、18〜21年の年平均成長率は15.76%となっている。四環医薬は、市場が急速に拡大する中で医療保険の対象となったミダゾラム口腔用液が今後売上と市場シェアを大きく伸ばし、同社の業績にポジティブな影響を及ぼすことが期待できるとしている。

 同社は2001年設立で、10年に香港メインボードに上場した。海南省を主拠点として、脳・心臓血管疾患治療薬のほか、中薬製品、産業用大麻の生産、販売を手掛けている。21年12月期の売上高は32億9127万元(前期比33.56%増)、純利益は4億1650万元(同17.12%減)。22年1〜6月期の売上高は14億6419万元(前年同期比23.22%減)、純損益は9590万元の赤字(前年同期は5億9421万元の黒字)。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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