<新興国eye>カンボジア、経済センサス2022の速報値発表

新興国

2023/2/3 8:51

 1月18日、カンボジア計画省は、経済センサス2022の速報値を発表しました。2022年3月1日現在の事業所数や内訳を2022年3月に調査した結果です。

 カンボジアの事業所の総数は、75万3670事業所でした。これらの事業所で働いている労働者の総数は、298万569人でした。なお、そのうち女性は194万1373人で61.7%を占めています。事業所の規模では、従業員1人が36万7221事業所(全体の48.7%)、2人が25万3857事業所(33.7%)で、これだけで全体の82.4%となり、小規模な事業所が大半であることが分かります。他方、大規模な事業所は、100人~499人が1870事業所(0.3%)、500人以上が624事業所(0.1%)と少数にとどまっています。しかし、従業員数でみると、500人以上の事業所で働く労働者数が90万3045人と30.3%を占めています。

 事業所の代表者の性別では、全体では女性が代表の事業所が52万1207事業所と69.2%を占めています。しかし、事業所の規模別に見ると、規模が大きくなるにつれて男性が代表の事業所の割合が増えています。

 業種別の内訳では、第1位は卸売り・小売り(自動車修理を含む)が49万9731事業所で全体の66.3%を占めています。第2位は宿泊および飲食で9万3315事業所(12.8%)、第3位製造業5万4871事業所(7.3%)、第4位その他サービス4万9656事業所(7.1%)等となっています。

 前回の経済センサスは、2011年に日本の支援等を受けて実施されました。2011年の事業所総数は、50万3,008事業所でしたので、11年間で49.8%増加しています。経済センサス結果は、カンボジアでは非常に貴重なデータであり、今後の経済統計の基礎的データ、政策策定の基礎データ等として活用されることが期待されます。

【筆者:鈴木博】

1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社

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