<新興国eye>前週のロシアRTS指数、海外株高や米利上げペースの減速を受け続伸=BRICs市況
2023/2/6 9:17
前週(1月30日-2月3日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の3日終値が前日比0.16%安の1002.52、前週比では1月27日終値比1.00%高と、続伸した。
週明け30日は指数が反落。翌31日は反落し、2月相場入りした2日まで3日続伸した。
週前半は、海外株安となり、ロシア市場でも売りが優勢となった。また、西側からのウクライナへの新たな武器供与を受け、ウクライナ戦争の激化懸念から地政学的リスクが高まったことも売り材料となった。その後は、IMF(国際通貨基金)がロシア経済見通しを引き上げたことが好感され、買いが優勢となった。IMFは23年のロシア経済の成長率見通しを従来予想の2.3%減から0.3%増に上方修正、24年は2.1%増に伸びが加速するとしている。
週後半は、海外市場が堅調となり、ロシア市場でも買いが強まった。また、個別銘柄で、肥料大手アクロンと海運大手ソブコムフロットが企業ニュースで買われ、上げをけん引。ただ、ブレント原油先物が1バレル当たり85ドルを割り込んだため、上値は重くなった。その後は、堅調な海外市場に連れ高となった。FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げペースが小幅な0.25ポイントに減速したことが好感された。ただ、原油価格が82.5ドルに下落したことや、ウクライナ戦争をめぐる地政学的リスクの高まりが上値を抑えた。
週末3日は小反落。海外株安となったことや、これまでの急激な相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。ただ、原油価格が83ドル台に回復したため、下げは限定的だった。
今週(6-10日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える7日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や8日の米EIA週間石油在庫統計、さらにはロシア中銀の金融政策決定会合(10日)も注目される。主な経済発表の予定は8日の12月失業率と1月CPI(消費者物価指数)、12月小売売上高など。指数は9530-1050ポイントの値動きが予想される。
<関連銘柄>
RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、
提供:モーニングスター社
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