<新興国eye>前週のインド株、アダニ株の買い戻しや米利上げペース緩和などで反発=BRICs市況

新興国

2023/2/6 9:19

 前週(1月30日-2月3日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の3日終値は前日比1.52%高の6万0841.88、週間ベースでは1月27日終値比2.55%高と、反発した。

 週明け30日は指数が反発。翌31日以降も上昇し、2月相場入りした2日まで4日続伸した。

 週前半は、欧米株高を受け、インド市場でも買いが優勢となった。23年度予算案の発表(1日)を控え、景気対策期待で幅広い銘柄に買いが入った。不正会計問題で揺れている複合企業大手ゴータム・アダニ・グループ傘下の銘柄にも買いが入り、地合いが改善した。その後は、製造業への支援策など景気対策への期待感が引き続き支援材料となり、買いが強まった。政府が発表した23年度経済調査で、23年度の成長率見通しが6.5%増と、3年ぶりの低い伸びとなったことから、景気対策への期待感が高まった。アダニグループのセカンダリー・オファリング(追加的な普通株や優先転換社債の公募・売り出し)が円滑に進んだことも買い材料となった。

 週後半は、米利上げペースが0.25ポイントに減速し、利上げサイクルの長期化懸念が後退したことを受け、インド市場からの資金流出懸念が緩和、買いが優勢となった。また、23年度予算案が発表され、インフラ投資の拡大により、持続的で長期の経済成長への道筋が示されたことも支援材料となった。ただ、アダニ・エンタープライゼズとアダニ・ポートのアダニグループの2社が急落したため、上値が抑えられた。その後は、23年度予算案を受け、関連セクターの銘柄が物色される展開となった。ただ、アダニ・エンタープライゼズが25億ドルの公募増資を撤回したことで急落、上値が重くなった。

 週末3日は急伸、5日続伸となった。アダニ・エンタープライゼズとアダニ・ポートが買い戻され、3日ぶりに急伸したことが好感され、買いが優勢となった。

 今週(6-10日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、中国のコロナ感染拡大、米中関係、インド国内の景気動向、主要企業ニュース、インド準備銀行(中銀)の金融政策決定会合(8日)も注目される。主な経済指標の発表予定は10日の12月鉱工業生産など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:モーニングスター社

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