エディア:賀島義成社長に聞く―海外展開加速で成長スピードアップへ

株式

2023/2/24 9:00

 エディア<3935.T>が新たな成長局面に入りそうだ。自社のIP(知的財産)を活用したゲーム、CD、コミック、電子書籍、グッズなどの開発・販売を手掛ける。海外事業と、NFT(非代替性トークン)など新事業が中期業績の成長ドライバーとなっていく見通し。株式市場でも成長性への関心が高まっている。賀島義成社長に展望を聞いた。

 ――このほど、中国子会社の設立を発表した。これまでの海外展開と今後の戦略を教えてほしい。

 「昨年4月に設立を発表していた子会社が、中国のロックダウンの影響による延期などを経て、このほど中国当局による営業許可審査が完了した。海外マーケット向けクロスメディア展開として、中国国内のみならず東アジアへのIP、出版コンテンツ配信などの強化を目的としている」

 「当社の海外ビジネスは現状、保有するレトロゲームの欧米へのライセンス販売やコミックの翻訳出版許諾などを行っているが、まだ連結売上高比率は数%程度と低い。これまでは国内を軸に事業展開を優先させてきたが、海外の市場規模は大きく、日本のコンテンツへの関心も高いため、今回の中国子会社設立で中国のみならず東アジアにおける事業展開を加速していく考えだ。得意とする女性向けIPの展開、出版ビジネス、ライトノベル、漫画などIPの輸出強化を行っていく考え。欧米向けビジネスも拡大していく方針で、今後3-5年で海外売上高が連結業績の3-5割を占める規模まで拡大させていきたい。今回の中国子会社設立は、世界戦略の本格化に向けた大きな一歩となる」

 ――NFTなど新事業の成長にも期待が掛かる。状況はどうか。

 「NFTなどの新事業は、海外ビジネスの育成とともに、中期的な業績成長のけん引役となってくるだろう。エヌエフティアーツ(非上場)と資本・業務提携を行い、NFTサービスの強化を図っている。足元、オンラインくじサービス「くじコレ」、女性向けオンラインくじサービス「まるくじ」が好調に推移していることもあり、IP事業の比率は連結業績の拡大に伴って高まっていく見通し。ライトノベルやコミック出版の出版事業などは、作品数が出ればそれだけ拡大する事業構造であり、安定的な成長源になっている」

 ――業績は前2月期に黒字浮上を果たし、今期は増収増益の計画が順調に進ちょくしている。中期的な展望への関心が高まりやすくなってきた。

 「今期は連結売上高28億円(前期比12.3%増)、連結営業利益1億5000万円(同21.7%増)を計画しており、足元まで順調に推移している。IP事業がオンラインくじサービスの寄与で成長しているほか、コミックの新刊数が増加し、出版事業では紙出版、電子書籍とも増加。NFTなど新サービスの育成、海外ビジネスの成長で来期以降、成長スピードが一気に高まっていく見通しで、今後5年程度をメドに連結売上高100億円規模を狙えるようなグループ体制を整えていきたいと考えている」

提供:モーニングスター社

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