来週の日本株の読み筋=バリュー株物色が指数下支えか

国内市況

株式

2023/3/10 16:22

 来週(13-17日)の東京株式市場では、バリュー(割安)株物色が指数の下支えになる可能性がある。米利上げ再加速への警戒感は根強く、9日の米国株式は大幅に下落。つれて、10日の日経平均株価は6営業日ぶりに大幅反落し、2万8143円(前日比479円安)で引けた。日経平均はきのうまで5連騰で合計1100円超の上昇を演じていただけに、短期的な過熱感から利益確定売りが出やすかった面もある。一部では、調整は一時的とした上で、「東証がPBR(株価純資産倍率)1倍割れを是正するよう求めた点は大きく、相場のサポート要因になる」(中堅証券)との声が聞かれた。

 低PBRや低ROE(自己資本利益率)を是正する取り組みが、投資家の間で注目されている。ゴールドマン・サックス証券では、アジアと欧州の投資家との意見交換に基づく最近の顧客向けメモで、「(日本企業の)過去最高に達した自社株買い、増配、企業再編策などに関する最近の報道は、大きなポジティブ・サプライズとなっている」と報告した。東証プライムでPBR1倍を割る銘柄はまだ半分程度あることから、株主還元拡充や新たな成長・投資戦略への期待買いの余力は残されているとみられる。

 なお、スケジュール面では、国内で13日に1-3月期法人企業景気予測調査、15日に1月17-18日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、2月訪日外客数、16日には2月貿易収支、1月機械受注が発表される。海外では14日に米2月CPI(消費者物価指数)、15日に中国2月の小売売上高、工業生産、都市部固定資産投資、米3月NY連銀製造業景気指数、米2月小売売上高、米2月PPI(生産者物価指数)が明らかにされる。続く16日にECB(欧州中央銀行)定例理事会、米3月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、17日には米2月鉱工業生産・設備稼働率、米3月ミシガン大学消費者マインド指数などが予定されている。

提供:ウエルスアドバイザー社

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