来週の東京外国為替市場見通し=米利上げ再加速観測広がる中、FOMC前に重要経済指標が集中
予想レンジ:1ドル=135円00銭-140円00銭
3月6-9日のドル・円は上昇した。週初6日は、ECB(欧州中央銀行)の大幅利上げが意識されユーロ買い・ドル売りに傾き、ドル・円の下落に波及。7日、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が米上院の議会証言で、利上げペースの加速や政策金利の最終到達点が引き上げられる可能性に触れ、米国の大幅利上げ観測が再燃し急伸した。8日はパウエルFRB議長が米下院の議会証言で、3月開催FOMC(米連邦公開市場委員会)に関しては何も決定していないと強調したことが大幅利上げ論へのけん制になり、上値を抑制。9日は翌日の米2月雇用統計の発表を前に、持ち高調整の動きから下落した。なお、10日の東京時間に、日銀は金融政策決定会合で現行の金融政策を据え置きドル・円は上昇。黒田東彦総裁のもとで開かれる最後の会合で、市場の一部では退任前にYCC(イールドカーブ・コントロール、長短金利操作)の修正に動くとの観測も出ていた。
パウエルFRB議長のタカ派的な議会証言以降、マーケットでは米金融引き締めペース鈍化の思惑が急速にしぼみ、今後の経済指標次第では利上げが再加速する見通しとなった。ドル・円は目先、10日発表の米2月雇用統計が焦点。先行指標の米2月ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)雇用統計は市場予想を上回っており、米2月雇用統計も好結果となった場合はドル高圧力が強まりそう。雇用統計通過後も米2月CPI(消費者物価指数)、米2月小売売上高をはじめ重要経済指標の発表が控え、翌週21-22日開催のFOMCを前に神経質な相場展開が予想される。米国外ではECB理事会に警戒したい。ラガルドECB総裁は欧州圏の高インフレを背景に0.5ポイントの大幅利上げを示唆しており、対ユーロでも円安が進む可能性がある。なお、米国は12日から夏時間になることに注意。
ドル・円はチャート上で、200日移動平均線(9日基準で1ドル=137.46円)を上抜ければ140円の大台回復が視野に入る。下方向では、25日移動平均線(同134.40円)近辺で心理的フシとなる135円が下値支持線。
提供:ウエルスアドバイザー社
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