日経平均は311円安と大幅続落、売り一巡後の戻り限定―日銀ETF買い思惑は支え=13日後場

 13日後場の日経平均株価は前週末比311円01銭安の2万7832円96銭と大幅続落。朝方は、売り優勢で始まった。米銀シリコンバレーバンク(SVB)が現地10日に経営破たんし、金融システムへの影響が懸念され、米国株式が下落。円高・ドル安も重しとなり、下げ幅を拡大し、前場中盤には2万7631円53銭(前週末比512円44銭安)まで下押した。売り一巡後は後場終盤にかけて下げ渋った。前引け後のTOPIX(東証株価指数)の下落率が2%を超えたことで、日銀のETF(上場投資信託)買い思惑が支えとして意識された。ただ、戻りは限定され、大引けにかけては2万7800円台で上値が重くなった。

 日経平均マイナス寄与度では、ソフバンG<9984.T>の18円強を筆頭にファナック<6954.T>が17円強、東エレク<8035.T>が12円強と続いた。東証業種別株価指数(全33業種)では、銀行、保険、証券商品先物など金融セクターをはじめ31業種が値下がりし、海運、鉱業の2業種が値上がりした。東証プライム銘柄では、全体の89.3%が下落した。

 東証プライムの出来高は14億7769万株、売買代金は3兆1285億円。騰落銘柄数は値上がり171銘柄、値下がり1639銘柄、変わらず25銘柄。

 市場からは「後場は、日銀のETF買いが入ったとみられるが、さほど勢いはない。米国での信用システムの動揺が落ち着くかどうかを見守る必要があり、さらに今週は米2月CPI(消費者物価指数)、米2月小売売上高など重要経済指標を控え、動きにくい」(準大手証券)との声が聞かれた。

 業種別では、みずほ<8411.T>、三井住友<8316.T>、三菱UFJ<8306.T>、りそなHD<8308.T>などの銀行株や、MS&AD<8725.T>、T&DHD<8795.T>、第一生命HD<8750.T>などの保険株が下落。野村<8604.T>、大和証G<8601.T>などの証券商品先物株も安く、日本紙<3863.T>、王子HD<3861.T>などのパルプ・紙株もさえない。オリックス<8591.T>、クレセゾン<8253.T>などのその他金融株も値を下げ、日産自<7201.T>、トヨタ<7203.T>、ホンダ<7267.T>、三菱自<7211.T>などの輸送用機器株も売られた。

 半面、川崎汽<9107.T>、商船三井<9104.T>、郵船<9101.T>などの海運株が堅調。鉱業株では、INPEX<1605.T>がしっかり。

 個別では、ハブ<3030.T>、シルバーライフ<9262.T>、シーイーシー<9692.T>、エイチーム<3662.T>などが値下がり率上位。半面、トビラS<4441.T>がストップ高となり、トーホー<8142.T>、フリービット<3843.T>、冨士ダイス<6167.T>などが値上がり率上位。

(写真:123RF)

提供:ウエルスアドバイザー社

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