TCL電子の22年12月期通期は約5%減収、純利益は56.7%減の5.5億香港ドル
中国の家電大手TCL集団の傘下でディスプレイ事業を手掛けるTCL電子HD(01070/香港)が3月10日、2022年12月期通期の決算を発表し、若干の減収となった一方で純利益は大幅な減少となった。
22年12月期の売上高は713億5141万香港ドルで、前期の748億4688万ドルから4.67%減少した。売上の内訳はディスプレイ事業が579億700万ドルで前期比9.45%減、イノベーション事業が104億4400万ドルで同22.21%増、インターネット事業が22億9800万ドルで同24.28%増となっている。
主力のディスプレイ事業は大型ディスプレイが451億9400万ドルで、このうち中国市場が151億9400万ドル、海外市場が300億ドルだった。また、中〜小型ディスプレイが1180億200万ドル、商用スマートディスプレイが9110万ドルだった。ディスプレイ事業の業績が前期を下回った要因について同社は、世界の地政学的リスクの上昇、エネルギー危機、海外のインフレなどによって世界の消費市場が冷え込んだことを挙げている。
売上利益率は18.4%で、前期の16.7%から1.7ポイント上昇。収益性の高いミドルレンジからハイエンドの製品販売に注力すると同時にコストダウンを徹底したことが売上利益率の改善につながった。
一方で、当期純利益は5億5392万ドルで、前期の12億7929万ドルから56.70%減少した。これは前期の最終利益に晶晨半導体(アムロジック)の一部株式売却益7億4100万ドルが含まれていたことによるもの。この分を差し引いた場合前期の純利益は約5億3800万ドルで、当期純利益は前期から2.96%増えたことになる。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)
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