米2月住宅着工件数、前月比9.8%増の145万件―アパートが寄与

経済

2023/3/17 9:48

<チェックポイント>

●一戸建て住宅の供給不足でアパートブーム到来

●許可件数もアパートが急増

●建築中件数もアパートが下支え

 米商務省が16日に発表した2月の住宅着工件数(季節調整値)は、年率換算で前月比9.8%増の145万件となり、市場予想の平均値である131万件を大きく上回った。前年比は18.4%減。

 内訳を見ると、月毎に変動が激しいアパート(5世帯以上)が前月比24.1%増の60万8000件と急増し、全体を押し上げた。主力の一戸建ても同1.1%増の83万件と増加に転じるなど堅調だった。

 市場では、一戸建て住宅の供給不足でアパートブームが起きた可能性があるとみている。ただ、アパートブームは長く続かないとの見方が多い。

 一戸建てのバックログ(受注残)は前月比3.0%減の13万件と4カ月連続で減少した。他方、アパートは同2.6%増(前年比32.2%増)となり、全体では同横ばいの29万4000件となった。

 先行指標である住宅建築許可件数は、前月比13.8%増の152万4000件と2カ月連続で増加し、市場予想の134万3000件を上回った。建築業者は一戸建てより格安なアパート建築にシフトしている。

 このうち、一戸建ては前月比7.6%増の77万7000件と12カ月ぶりに増加、アパート(5世帯以上)は同24.3%増の70万件と急増した。

 また、建築許可が下りたあとの建築中件数を見ると、一戸建ては前月比1.7%減の73万4000件と9カ月連続で減少したが、アパート(5世帯以上)は同1.0%増の94万1000件となった。全体では同0.2%減の169万1000件だった。

 1-2月の建築中件数の月平均(169万3000件)は22年10-12月期の月平均(170万2000件)を0.5%下回ったことから、4月27日発表予定の1-3月期GDP(国内総生産)速報値の住宅投資部門を0.4パーセンテージポイント押し下げる見通し。

 他方、一戸建ての完成住宅件数は前月比1.0%増の103万7000件、アパート(5世帯以上)は同44.6%増の50万9000件となり、全体では同12.2%増の155万7000件となった。

提供:ウエルスアドバイザー社

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