<新興国eye>前週のロシアRTS指数、週末の米金融不安後退や金利据え置き受け反発=BRICs市況

新興国

2023/3/20 8:57

 前週(13-17日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の17日終値が前日比2.34%高の948.97、前週比では10日終値比0.70%高と、反発した。

 週明け13日は指数が反発した。翌14日も続伸。15日は反落した。16日も続落。

 週前半は、米シリコンバレー・バンクの経営破綻に端を発した米国の金融不安を受け、海外株安となり、ロシア市場でも売りが先行したが、ルーブル高となったことや、米財務省が銀行支援の緊急措置を発表したことが好感され、買いが優勢となった。その後は、海外市場が前日の米金融不安による株価急落から持ち直したことを受け、ロシア市場でも買いが強まった。また、米2月CPI(消費者物価指数)が前年比6%上昇と、1月の同6.4%上昇を下回り、インフレが鈍化したことも支援材料となった。

 週後半は、シリコンバレー・バンクに続いて他の中堅行や地銀も相次いで経営破たんしたことや、スイス金融大手クレディ・スイスも流動性不足問題が表面化、海外株安となった流れを受け、ロシア市場でも売りが優勢となった。また、黒海で米軍のドローンがロシア戦闘機によって墜落させられたことを受け、地政学的リスクが高まったことや、ブレント原油先物が1バレル当たり74ドルに落ち込んだことも売り材料となった。その後は、金融不安が全世界に拡大、世界景気が後退するとの懸念が強まり、海外株安となったため、ロシア市場でも売りが一段と強まった。

 週末17日は急反発。米国で政府や大手行が金融不安解消に向け、緊急措置を発表したことで米国の金融不安が後退、買いが優勢となった。国内的にはロシア金融大手ズベルバンク(ロシア連邦貯蓄銀行)が発表した年間配当金が市場予想を上回ったことが好感され、上げを主導した。また、ロシア中銀が政策金利を4会合連続で据え置いたことでインフレ懸念が後退したことも買い材料となった。中銀は23年のインフレ率を5-7%上昇、24年に物価目標の4%上昇に戻るとの見通しを示している。

 今週(20-24日)のロシア市場は、引き続き、欧米の金融不安やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える21日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や22日の米EIA週間石油在庫統計、さらにはFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合(22日)も注目される。主な経済発表の予定は22日の2月WPI(卸売物価指数)など。RTS指数は900-1000の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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