来週の東京外国為替市場見通し=引き続き金融システム不安や景気減速懸念が重し
予想レンジ:1ドル=128円00銭-133円00銭
20-23日のドル・円は下落した。19日にスイス金融最大手のUBSが経営危機に直面したスイス同業大手のクレディ・スイス・グループを買収すると表明した。週明け20日の東京時間は、FOMC(米連邦公開市場委員会)や祝日を前にした手じまいのドル売り・円買いが優勢となったが、米国時間になってリスクオンのドル買いが強まり、ドル・円は下げ幅を縮小。21日は、イエレン米財務長官が金融危機の拡大局面で預金保護の拡大を検討すると表明したため、ドル買いが継続した。22日、FOMCは市場予想通り0.25ポイントの利上げに踏み切ったが、米利上げ長期化観測が後退し、ドル売り・円買いが先行。23日は、BOE(英中銀)など主要な中銀も利上げを発表したため、景気後退懸念が高まってドル売りが継続した。
救済措置を拡大する可能性を示唆していたイエレン米財務長官が22日には現時点で検討していないと述べたことがドル売りを加速させる一因になるなど、市場は神経質な反応をみせており、金融システム不安に対する警戒感は根強い。また、こうした中でのFRBなど主要な中銀の物価抑制を優先した利上げが世界的な景気減速懸念を強めており、これらを払しょくするまで本格的な戻りは期待しにくい。
来週は米調査会社カンファレンスボードによる米3月消費者信頼感指数があり、金融システム不安が消費者マインドにどの程度の影響を及ぼしているか注目だ。また、週内はFRBに続いて英国やスイスで政策金利が引き上げられたが、来週は新興国で中銀による金融政策会合が多く、利上げの動きが続けば世界的な景気減速懸念が高まり、リスクオフの円買いを誘う可能性がある。
ドル・円の上値メドは今週の高値である133円ちょうど近辺、下値メドは直近安値の128円ちょうど近辺。
提供:ウエルスアドバイザー社
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