<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油高やルーブル高、中ロ首脳会談を受け続伸=BRICs市況

新興国

2023/3/27 8:59

 前週(20-24日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の24日終値が前日比1.18%安の977.75、前週比では17日終値比3%高と、続伸した。

 週明け20日は指数が上昇。21日まで3営業日続伸した。22日は反落。23日は反発した。

 週前半は、中ロ首脳会談(20-21日)への期待感で買いが優勢となった。また、金融大手のズベルバンク(ロシア連邦貯蓄銀行)とVTB(対外貿易銀行)がいずれも配当観測で、国営石油大手ロスネフチと海運大手ソブコムフロットはいずれも好決算で買われ、上げを主導した。その後は、中ロ首脳会談で中国へのロシア産天然ガス・LNG(液化天然ガス)の供給拡大や、西シベリアと中国を結ぶ天然ガス供給パイプライン(総延長3000キロ)の建設で合意したことが好感され、買いが強まった。また、ブレント原油先物が1バレル当たり75ドル超に回復したことも買い材料となった。

 週後半は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。ただ、ロシア産天然ガスの対中輸出拡大見通しを受け、ロスネフチが買われたため、下げは限定的となった。その後は、FRB(米連邦準備制度理事会)が銀行危機の中で、利上げ継続のタカ派スタンスを維持したことが嫌気され、売り圧力が強まったが、通貨ルーブル高や原油高が好感され、買いが優勢となった。

 週末24日は反落。海外株安となったことに加え、米利上げやEU(欧州連合)の対ロ追加制裁の見通しが嫌気され、売りが優勢となった。原油価格も75ドルを割り込んだことも売り材料となった。

 今週(27-31日)のロシア市場は、引き続き、欧米の金融不安やロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える29日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や30日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は29日の2月失業率と2月小売売上高、2月鉱工業生産など。RTS指数は950-1050の値動きが予想される。

<関連銘柄>

RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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