<新興国eye>前週のブラジル株、欧米の金融不安や通貨安、米利上げ継続受け5週続落=BRICs市況

新興国

2023/3/27 9:00

 前週(20-24日)のブラジル株式市場は24日のボベスパ指数が前日比0.92%高の9万8829.27、週間ベースでは17日終値比3.09%安と、5週続落した。

 週明け20日は指数が続落。翌21日は小反発した。22日は再び反落、23日も続落した。

 週前半は、スイス金融大手UBSが同業大手クレディ・スイスの買収で合意したものの、世界的な銀行危機懸念が払しょくされず、売りが優勢となった。その後は、欧米の銀行危機懸念が一時緩和、海外株高となったことが好感され、ブラジル市場でも買いが優勢となった。特に、銀行セクターが買われた。また、通貨レアル高も好感された。

 週後半は、FRB(米連邦準備制度理事会)が銀行危機の中、利上げを決め、今後も利上げ継続のタカ派姿勢を示したことや、ブラジル中銀が政策金利を予想通り13.75%に据え置いたものの、依然、6年2カ月ぶりの高水準のため、金利の高止まりによる景気回復の遅れへの懸念が強まり、売りが優勢となった。その後は、通貨レアル安となったことが嫌気され、売りが一段と強まった。また、フェルナンド・ハダド財務相は中銀が利下げに踏み切らなかったことに不満を表明、政府と中銀の関係悪化懸念が強まったことも売り材料となった。

 週末24日は自律反発。欧米の銀行危機への懸念がドイツ銀行にも飛び火、リスク選好投資が控えられ、売りが先行したが、引けにかけてこれまでの急激な相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが強まった。個別銘柄では教育サービス大手エスタシオ・パルチシパソンエス(Yduqs)が急騰し、上げを主導した。

 今週(27-31日)の株式市場は、米国の金融不安の動向やウクライナ情勢、西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済政策も注目される。主な経済指標の発表予定は27日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)3月消費者信頼感指数と2月経常収支、29日の2月PPI(生産者物価指数)、30日のFGV3月IGP-MIインフレ指数と1月鉱工業生産、31日の2月財政収支など。

<関連銘柄>

ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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