信用関連データ=売り残が増加に転じ、買い残は3週連続で増加、信用倍率3.52倍に低下

国内市況

株式

2023/3/28 16:41

 24日申し込み現在の2市場信用取引残高は、売り残が前週比1044億円増の9628億円、買い残は同423億円増の3兆3922億円だった。売り残が増加に転じ、買い残は3週連続で増加した。信用倍率は前週の3.90倍から3.52倍に低下した。

 この週(20-24日)の日経平均株価は24日終値が17日終値比51円高の2万7385円だった。21日(春分の日)が祝日で休場のため4営業日となり、1勝3敗だった。週初20日は大幅反落(388円安)。前週末17日の米国株式市場で金融システムの不安定化が警戒され、主要3指数が下落した流れを受け、売りが先行した。スイスの金融最大手UBSが19日、経営危機に陥った同2位のクレディ・スイス・グループを買収することで合意したことが支えとなり、上げに転じる場面もあった。ただ、欧米の金融システム不安への警戒感は払しょくされず、先物売りを交えて再度軟化した。

 休場明け22日は急反発(520円高)した。イエレン米財務長官が21日の講演で、預金の取り付け騒ぎが発生した場合には、当局が預金の全額を保護する方針を表明。金融システム不安が後退し、欧米株式が上昇した流れを受け、買い優勢の展開となった。翌23日(47円安)、週末24日(34円安)と下げが続いたが、小幅安にとどまった。

 28日の売買代金に占めるカラ売り(信用取引を含む)の割合を示すカラ売り比率(小数点第2位以下を四捨五入)は41.9%(前営業日は43.6%)と2営業日連続で低下した。この日の日経平均株価は続伸し、2万7518円(前日比41円高)で引けた。朝方は、27日の米国株式市場で銀行株を主体に上昇した流れを受け、金融株中心に買いが先行した。FDIC(米連邦預金保険公社)は26日、経営破たんしたSVB(シリコンバレー銀行)について、米地方銀行のファースト・シチズンズ銀行が買収することで合意したと発表し、金融システム不安が和らいだ。物色範囲を広げ、上げ幅は一時120円を超えた。ただ、27日の米ハイテク株安を反映し、半導体関連株などが安く、下げに転じる場面もあった。

 指数は上値が重く下値が堅い動きにあり、このままの状態ならカラ売り比率は一進一退の可能性がある。

提供:ウエルスアドバイザー社

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