<新興国eye>ハンガリー中銀、予想通り金利据え置き―6会合連続

新興国

2023/3/29 8:54

 ハンガリー中央銀行は28日の金融理事会で、主要政策金利であるベース金利(準備預金への付利金利)を13.00%に据え置くことを決めた。市場の予想通りだった。

 ほかの政策金利も同様に、ベース金利の上下幅(コリドー)の下限を示す翌日物預金金利を12.50%、上限を示す翌日物有担保貸出金利を25.00%と、いずれも据え置いた。

 中銀はウクライナ戦争のぼっ発(22年2月24日)以降、インフレ抑制のため、ベース金利の引き上げを継続。22年6月会合で1.85ポイント、翌7月12日の臨時会合で2.00ポイント、同9月会合で1.25ポイント引き上げた。同10月会合から据え置き転換、利上げは17会合連続で止まったが、利上げ幅は計12.40ポイントに達し、金利水準も99年12月(14.50%)以来22年9カ月ぶりの高水準となっている。据え置きはこれで6会合連続。

 中銀は会合後の声明文で、金利を据え置いたことについて、前回2月会合時と同様、「ベース金利の現在の水準はインフレリスクを管理するのに適切な水準だ」とした上で、今後の金融政策についても、前回会合時と同様、「インフレ期待を安定させ、物価目標を持続的に達成するためには、長期にわたって(現在の)金融引き締めを維持する必要がある」とし、据え置きを継続する考えを示している。

 ただ、市場ではビクトル・オルバン首相が景気を刺激するため、早期の利下げを求めていることから、インフレ率がピークを過ぎた4-6月期から利下げに転換、年末までに政策金利は最大1.75ポイント(前回予想時点は2.50ポイント)低下すると予想している。

 2月のインフレ率は全体指数が前年比25.4%上昇(1月は25.7%上昇)、コア指数は同25,2%上昇(同25.4%上昇)と、いずれも1月を下回り、中銀は、「インフレ率は1月にピークに達した」としている。その上で、インフレ見通しについて、中銀は23年を15.0-19.5%上昇、24年を3.0-5.0%上昇、25年を2.5-3.5%上昇と予想、前回会合時と同様、「インフレ率は今後数カ月、最初は緩やかに下落、その後、急速に下落。24年前半には物価目標の範囲内に戻る」との見通しを据え置いた。

 景気見通しについては、中銀は、「22年のGDP伸び率は前年比4.6%増となったが、22年10-12月期は同0.4%増と、伸びが鈍化した」、「高インフレにより家計所得の購買力が低下、消費がさらに減速するため、生産の伸びは主に内需要因によって圧迫される」とした上で、23年のGDP伸び率を0.0-1.5%増、24年を3.5-4.5%増、25年を3.0-4.0%増と予想している。

 次回の金融政策決定会合は4月25日に開かれる予定。

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提供:ウエルスアドバイザー社

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