【為替本日の注目点】3月の米消費者マインド改善

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は方向感のない展開。朝方は売られ130円42銭まで下落したが、その後は131円台前半まで上昇。ユーロドルは続伸。1.0848までユーロ高が進む。対ユーロではドル安の流れが優勢の展開。株式市場は3指数が揃って下落。ハイテク株が売られ、ナスダックは52ポイントの下げに。債券は小幅ながら続落。長期金利は3.57%台に上昇。金は3日ぶりに反発。原油も続伸。
マーケット情報
1月FHFA住宅価格指数 → 0.2%
1月ケース・シラ-住宅価格指数 → -0.43%
3月リッチモンド連銀製造業景況指数 → -5
3月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 104.2
ドル/円 130.42 ~ 131.19
ユーロ/ドル 1.0817 ~ 1.0848
ユーロ/円 141.43 ~ 142.11
NYダウ -27.83 → 32,394.25ドル
GOLD +19.70 → 1,973.50ドル
WTI +0.39 → 73.20ドル
米10年国債 +0.040 → 3.570%
本日の注目イベント
豪 2月消費者物価指数
独 4月GFK消費者信頼調査
英 2月消費者信用残高
米 2月中古住宅販売成約件数
ドル円は131円台を回復したものの、方向感の出ない動きが続き、130円台後半でNYでの取引を終えています。ユーロドルは1.08台半ばまで続伸し、ここではドル安が継続されており、ドル円の上値を抑える格好になっているようです。米地銀の破綻処理は一応終わってはいますが、金融不安の「火だね」は残っているようで、市場では株価の乱高下が続いているドイツ銀行の動向に注目しているようです。
先週24日同行の株価が急落し、その影響が世界の銀行株の大幅な下げにつながった経緯があります。ブルームバーグが伝えるところによると、同日に同行の劣後債に関わるCDSで、およそ500万ユーロ(約7億1000万円)の取引があったようです。金額からしたら小粒な取引ですが、CDSの取引は流動性に乏しく、この取引がドミノ効果を引き起こして銀行株を急落させ、国債が上昇、金融機関が発行した社債のデフォルトに備える保証料が跳ね上がったと説明しています。ドイツ銀行では約16億ユーロ(約2250億円)、欧州銀行株指数では300億ユーロ余りの時価総額がそれぞれ失われています。誰が、何のために行った取引かは分かっていませんが、当局はこの取引に注目しているようです。
昨日発表された3月のコンファレンスボード消費者マインドは市場予想の「101」を上回る「104.2」でした。また2月分も「102.9」から「103.4」に上方修正され、ここでは消費者心理の改善が見られています。同指数の担当者は、「期待指数の上昇で3月は若干改善したが、2022年の平均をなお下回っている。上昇は55歳未満の消費者と年収5万ドル以上の家計の見通し改善を反映している」と説明しています。同調査はシリコンバレー銀行(SVB)の破綻から1週間余り経過した3月20日までの回答が基になっており、銀行不安は、今のところ消費者信頼感にほとんど影響していないことがうかがえます。セントルイス連銀のブラード総裁は28日、同連銀のウェブサイトに掲載された論文で、「最近の一連の銀行破綻や混乱の影響で金融市場ではストレスが溜まっている。こうした事象に対するマクロプルデンシャル政策(金融システム全体を安定化する取り組み)の対応は迅速であり、適切だった。監督当局はマクロ経済へのダメージを抑えるため2007-2009年の金融危機時に開発、もしくは初めて利用した手段の幾つかを今回適用した。当局は必要に応じてさらに行動を取る用意がある」と述べています。
欧米各国によるウクライナへの武器供与が加速しています。ドイツは27日までに、主力戦車「レオパルト2」18両をウクライナに引き渡したとメディアが報じ、イギリスもすでに同国の主力戦車「チャレンジャー2」14両の供与を終えている模様です。米国も装甲車「ストライカー」を供与しています。ウクライナへの武器の供与は隣国ポーランドがいち早く行動し、製造国ドイツの了承の下、14両の「レオパルト2」を引き渡しています。またドイツは歩兵戦闘車「マルダー」40両なども引き渡し、「レオパルト2」や「マルダー」を運用するウクライナ兵に対しドイツ国内で数週間の訓練を実施したことを明らかにしています。このような最新の武器を供与されたウクライナのレズニコフ国防相は「1年前は、これほど強力な支援を得られるとは誰も思わなかった」と述べています。これら最新の武器供与を得たウクライナは、ロシア軍への攻勢を強めるとみられています。
本日のドル円は130円~131円80銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)
・今日のアナリストレポート
https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm
・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

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