日経平均は398円高と大幅続伸、日銀の大規模緩和維持で上げ幅拡大―8カ月ぶり高値水準=28日後場

 28日後場の日経平均株価は前日比398円76銭高の2万8856円44銭と大幅続伸。18日に付けた年初来高値(終値2万8658円83銭)を更新し、22年8月19日(同2万8930円33銭)以来約8カ月ぶりの高値水準となる。

 日銀はこの日の金融政策決定会合で現状の大規模緩和策の維持を決定。これを受け、午後は上げ幅拡大の流れとなった。円安進行とともに先物主導で買われ、日経平均は大引け間際に2万8879円24銭(前日比421円56銭高)まで上伸した。前場は、27日の米国株高を好感し、買い優勢で始まり、いったん2万8700円台に乗せた。その後は伸び悩み、「日銀が長期緩和の検証を実施し、先行き指針も見直しを検討する」と伝わると、先物に大口の売り物が出て、上げ幅を急速に縮小する場面もあった。

 日経平均プラス寄与度では、東エレク<8035.T>の30円弱を筆頭にソフバンG<9984.T>が29円強、キッコーマン<2801.T>が28円強と続いた。東証業種別株価指数(全33業種)では、電気・ガス、機械、輸送用機器など32業種が値上がりし、銀行の1業種が値下がりした。東証プライム銘柄の90.4%が上昇した。

 東証プライムの出来高は15億8744万株、売買代金は3兆7751億円。騰落銘柄数は値上がり1659銘柄、値下がり155銘柄、変わらず21銘柄。

 市場からは「日銀の緩和維持で買いを誘発したが、主流は短期筋による買い戻しとみられる。日経平均は2万9000円を視野に入れ、センチメントがさらに好転するかを見極める必要があろう」(外資系証券)との声が聞かれた。

 業種別では、関西電力<9503.T>、中部電力<9502.T>、東ガス<9531.T>、大阪ガス<9532.T>などの電気・ガス株が上昇。ダイキン<6367.T>、日立建機<6305.T>、クボタ<6326.T>などの機械株や、日産自<7201.T>、トヨタ<7203.T>、ホンダ<7267.T>などの輸送用機器株も高い。上組<9364.T>、三菱倉<9301.T>などの倉庫運輸関連株や、SOMPOH<8630.T>、第一生命HD<8750.T>、MS&AD<8725.T>などの保険株も買われた。日本紙<3863.T>、大王紙<3880.T>、レンゴー<3941.T>などのパルプ・紙株も値を上げ、ANA<9202.T>、JAL<9201.T>などの空運株も引き締まった。

 半面、三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、みずほ<8411.T>、楽天銀行<5838.T>などの銀行株が軟調。

 個別では、未来工業<7931.T>がストップ高となり、マキタ<6586.T>、JVCKW<6632.T>などが値上がり率上位。半面、Vコマース<2491.T>がストップ安となり、大東建託<1878.T>、ユナイテド海<9110.T>などが値下がり率上位。

(写真:123RF)

提供:ウエルスアドバイザー社

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