【香港IPO】注射薬・ワクチン開発の北京緑竹生物技術、初値は公開価格を3.96%下回る31.5香港ドル

サーチナ

中国株

2023/5/10 9:09

 注射薬やワクチンの研究開発を行うを北京緑竹生物技術(02480/北京)が5月8日、香港証券取引所のメインボードに新規上場した。公開価格32.80香港ドルに対し、初値は3.96%低い31.50ドルだった。終値は同32.93%安の22.00ドルだった。

 同社は2001年設立で、13年に株式会社化した。帯状疱疹用注射薬を始めとするバイオ製品の研究開発を主業務としている。帯状疱疹ワクチン「LZ901」を主力製品として開発を進めており、22年4月に中国国内で第1相臨床試験を完了し、現在実施中の第2相臨床試験は今年4〜6月に終わり、24年7〜9月に新薬承認申請を行う予定だ。また、23年2月には米国での第1相臨床試験が始まった。

 このほか、関節リウマチなど自己免疫疾患治療薬である抗ヒトTNFαモノクローナル抗体注射液「K3」(アダリムマブのバイオシミラー)、B細胞系白血病・リンパ腫治療薬の二重特異性モノクローナル抗体注射液「K193」などが臨床研究段階にある。

 全ての製品が研究段階にあるため、目論見書発行時点で製品の販売による売上高はなく、政府からの補助金を主とするその他の収入が21年12月期は689万人民元、22年12月期は1392万元となっている。一方で、研究開発費用を含む各種コストが年々増加しており、22年12月期の純損益は7億2518万元の赤字(前期比34.45%の赤字増)だった。

 新規上場に伴い調達予定の2億8400万香港ドル(約49億円)は、約58%を主力製品LZ901の臨床開発、製造、商業化に、約22%をK3の臨床開発、製造に、約16%を広東省珠海市の生産設備建設に用いる。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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