日経平均は120円安と反落、売り一巡後の戻り限定―東証プライム銘柄7割超が下落=10日後場

 10日後場の日経平均株価は前日比120円64銭安の2万9122円18銭と反落。朝方は、9日の米国株安を受け、売りが先行した。きのう日経平均が1年4カ月ぶりの高値水準に浮上したことで、高値警戒感から利益確定売りが出やすく、後場序盤には2万9070円11銭(前日比172円71銭安)まで下落した。一巡後は、好決算銘柄などへの物色もあって下げ渋ったが、戻りは限定された。トヨタ<7203.T>が午後1時55分に24年3月期連結業績(IFRS基準)の増益見通しと自社株買いを明らかにし、株価は一時上伸したが、全体相場への影響は限られた。日本時間今夜に米4月CPI(消費者物価指数)の発表を控えていることもあり、買い気は鈍かった。

 日経平均マイナス寄与度では、東エレク<8035.T>の34円強を筆頭に第一三共<4568.T>が15円強、ダイキン<6367.T>が10円強と続いた。東証業種別株価指数(全33業種)では、鉄鋼、医薬品、食料品など28業種が値下がりし、海運、倉庫運輸関連など5業種が値上がりした。東証プライム銘柄の73.1%が下落した。

 東証プライムの出来高は13億1532万株、売買代金は3兆1877億円。騰落銘柄数は値上がり436銘柄、値下がり1341銘柄、変わらず57銘柄。

 市場からは「過熱感から利益確定売りが出やすいが、下がれば押し目買いも入ってくる。指数を押し上げる材料が見当たらない中、好需給で支えている面がある。目先は、決算絡みの個別株物色が中心になろう」(準大手証券)との声が聞かれた。

 業種別では、日本製鉄<5401.T>、神戸鋼<5406.T>、大平金<5541.T>などの鉄鋼株が下落。小野薬<4528.T>、塩野義薬<4507.T>、エーザイ<4523.T>などの医薬品株や、キリンHD<2503.T>、味の素<2802.T>、カルビー<2229.T>などの食料品株も安い。ニッスイ<1332.T>、マルハニチロ<1333.T>、サカタのタネ<1377.T>などの水産農林株や、ブリヂス<5108.T>、TOYO<5105.T>などのゴム製品株も値を下げた。関西電力<9503.T>、中部電力<9502.T>、四国電力<9507.T>などの電気・ガス株も軟調となり、アドバンテスト<6857.T>、ソニーG<6758.T>、村田製<6981.T>、太陽誘電<6976.T>などの電機株も売られた。

 半面、海運株では、郵船<9101.T>が堅調。日新<9066.T>、三井倉HD<9302.T>などの倉庫運輸関連株も値を上げた。三住トラスト<8309.T>、楽天銀行<5838.T>、京都銀行<8369.T>などの銀行株も引き締まった。

 個別では、レノバ<9519.T>、メディシス<4350.T>、BEENOS<3328.T>などが値下がり率上位。半面、山田コンサル<4792.T>、矢作建設<1870.T>がストップ高となり、丸井G<8252.T>などが値上がり率上位。

(写真:123RF)

提供:ウエルスアドバイザー社

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