米4月コアCPI、前月比0.4%上昇―前年比は5.5%上昇に鈍化

経済

2023/5/11 9:07

<チェックポイント>

●全体指数は前年比が減速し、市場予想下回る

●シェルター価格が前月下回る伸び―新車は低下に転じる

●エネルギーは上昇も、食品は横ばい

 米労働省が10日に発表した4月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.4%上昇と、3月と変わらず、市場予想の平均値とも一致。前年比は5.5%上昇と、3月の5.6%上昇から減速したが、市場予想通りだった。

 一方、エネルギーと食品を含めた全体指数は前月比0.4%上昇と、2月の0.1%上昇から伸びが加速したものの市場予想と一致し、前年比は4.9%上昇と、3月の5.0%上昇から減速し、市場予想の5.0%上昇を下回った。

 セクター別では、CPIの構成ウエートの約3分の1を占める家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)が0.4%上昇と、3月の0.6%上昇を下回った。中古車は4.4%上昇と、3月の0.9%低下から上昇に転じたが、新車は0.2%低下と、3月の0.4%上昇から減速。輸送サービスは前月の1.4%上昇から0.2%低下となった。メディカルケアサービス(処方箋代や病院治療費)は0.1%低下と、4カ月連続で低下した。

 前年比の内訳は、シェルター価格が8.1%上昇と、3月の8.2%上昇を下回ったほか、航空運賃が0.9%低下と、3月の17.7%上昇から低下に転じ、航空運賃を含めた輸送サービス全体でも11.0%上昇と、3月の13.9%上昇から減速した。

 エネルギー全体では前月比0.6%上昇と、3カ月ぶりに上昇に転じた。4月初め、OPEC(石油輸出国機構)プラスが減産継続を決定したため、原油価格が上昇したことが背景。一方、食品は3月に続いて横ばいとなった。外食価格はやや上昇しているが、自宅調理用の食品が低下している。

 前年比では、食品が7.7%上昇となったが、エネルギーは5.1%低下となった。

 統計発表直後、米長期金利が低下。6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での0.25ポイントの利上げ確率が低下した。

提供:ウエルスアドバイザー社

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