<新興国eye>前週の上海総合指数、弱い4月CPI・貿易統計と景気回復懸念受け反落=BRICs市況
2023/5/15 9:05
前週(8-12日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで反落。12日は3272.36(5日終値比1.86%安)だった。
週明け8日は指数が反発した。翌9日は反落、11日まで4日続落した。
週前半は、大手都銀の預貸利ざやの縮小が危険水域に入る中、預金金利を引き下げたとの報道を受け、利ザヤ改善の思惑で銀行を中心に買いが優勢となった。また、サービス消費の回復で銀行が恩恵を受けるとの見方も銀行セクターの買いを強めた。その後は、4月貿易統計で、人民元建ての輸入が前年比0.8%減と、3月の同6.1%増から減少に転じ、輸出の伸びも3月の同23.4%増から同16.8%増に鈍化したことが景気回復懸念を引き起こし、売りが優勢となった。
週後半は、米4月CPI(消費者物価指数)統計の発表を控え、慎重な取引となる中、中国の輸入の弱さが内需の弱さを反映していることが改めて意識され、中国景気の回復には時間がかかるとして、売りが一段と強まった。その後は、中国の4月CPIが約2年ぶりの低い伸びとなったことを受け、国内景気の鈍化懸念が一段と強まり、売りが優勢となった。また、中国の弱いCPIや、預金金利の上限引き下げを受け、追加金融緩和観測が広がったことも支援材料となった。
週末12日は5日続落。銀行融資やCPI、貿易統計など弱い経済指標を受け、景気の先行き見通しへの懸念が蒸し返され、売りが優勢となった。
今週(15-19日)の株式市場は台湾情勢やハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は16日の4月鉱工業生産と4月小売売上高、1-4月都市部固定資産投資、17日の4月住宅都市価格など。
<関連銘柄>
上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、
H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、
南方A50<1576.T>
提供:ウエルスアドバイザー社
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