【為替本日の注目点】ドル円140円台で推移

為替

サーチナ

2023/5/30 10:00

ひと目で分かる昨晩の動き

欧州市場

 ドル円は東京時間に140円92銭近辺まで上昇したが、その後じり安の展開となり、欧州時間には140円12銭まで下げる。ユーロドルはやや買い戻しが優勢となり、1.0729前後まで上昇。LDN、NY市場が休みのため、小動きのなか薄商い。

マーケット情報

ドル/円 140.12 ~ 140.54

ユーロ/ドル 1.0706 ~ 1.0729

ユーロ/円 150.09 ~ 150.70

NYダウ 33,093.34ドル

GOLD 1,944.30ドル

WTI 72.67ドル

米10年国債 3.798%

本日の注目イベント

豪 4月住宅建設許可件数

日 4月失業率

欧 5月消費者信頼感指数(確定値)

欧 5月景況感指数

米 1-3月期四半期住宅価格指数

米 3月ケース・シラ-住宅価格指数

米 3月FHFA住宅価格指数

米 5月コンファレンスボード消費者信頼感指数

米 バーキン・リッチモンド連銀総裁、インタビュー

 ドル円は昨日の朝方、ドル高の流れが続き140円92銭前後まで買われる場面がありました。米債務上限問題が基本合意したことで、朝方には日経平均株価が600円を超える上昇を見せたことで、「リスクオン」が強まり、低金利の円が売られた格好でした。ただ、その後ドル円はじり安の流れとなり、欧州時間では140円12銭まで下げています。基調としては依然ドル高の流れは変わっていないと見られますが、今夜の米債券市場が債務上限問題の合意を受けどのように反応するのかが重要なポイントになろうかと考えます。NY株式市場は、合意を見越して先週金曜日に大幅高を見せましたが、この流れが続き、先物市場でも若干上昇しているようです。株安、債券安が、ドル円を押し上げて来たことを考えると、株高、債券高はドル円を押し下げるのか、見極めたいところです。

 ブルームバーグによると、米連邦議会の下院規制委員会は米東部時間30日午後3時(日本時間31日午前4時)から会合を開き、債務上限の関連法について協議を行う模様です。バイデン政権の閣僚やホワイトハウスの上級スタッフは既に29日早朝までに、民主党の下院議員少なくとも60人に電話などで個別に接触し、法案に賛成票を投じるよう求めています。バイデン大統領は、「この合意は想定し得る最悪の危機を防ぐ」と述べ、「この法案を通過させるよう上下両院に強く求める」と語っています。また、共和党のマコネル上院院内総務も、法案に賛成するよう上院共和党議員に呼び掛けています。法案は承認される見込みで、法案では法定債務上限の効力を2025年1月まで停止することになっています。これはバイデン大統領の残りの任期と期間を合わせており、これでバイデン大統領は任期中には同問題で頭を悩ますことはなくなりますが、2024年の大統領選にも出馬する意向を示していることから、その先は分かりません。

 28日に行われたトルコ大統領選の決選投票で、エルドアン氏が再選されました。ロシアのプーチン大統領はエルドアン氏に対して「親愛なる友人よ」と祝辞を送っています。勝利したエルドアン氏は支援者を前に、「金利を引き下げることで、インフレも下がる」と述べ、相変らず「経済原則」とは真逆の政策を採る意向を示していました。エルドアン氏が勝利したことを受け、再び「ドル買いリラ売り」が加速し、一時は0.7%安の「20.1リラ」を付け、過去最安値近辺まで売られました。リラは対円でも先週末には6円近辺まで売られ、最安値圏までリラ安が進んでいました。トルコでは一時の猛烈なインフレは収まってきたものの、直近4月の消費者物価指数は年率で「43.68%」と依然として高水準です。2月に起きた大地震の影響もあり失業率は「10%」です。また財政も、貿易収支も赤字が続き、トルコ経済は浮上のきっかけさえつかめない状態が続いています。エルドアン氏のこれからの経済立て直しも、これまで通り困難が待ち受けています。

 本日のドル円は139円50銭~141円程度を予想します。

(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

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・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

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